旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第66回
困ったときの中華料理店

かつて欧米を旅していておいしいものがないときに、
とりあえず安心できる味にありつけるのが中華料理店でした。
しかし、最近は和食やオリエンタル料理の店が急増したため、
中華料理店にかけこむ機会はめっきり減りました。
ところが、今回の取材旅行で再び中華料理店の有難さを
実感させられました。

カリフォルニアにナパというワインで有名な町があります。
ここはロサンゼルスやサンフランシスコに比べると
小さな町ですから、レストランが早い時間に閉まってしまう。
夜の9時半にほとんどの店が閉まり、オーダーストップは9時頃。
その夜は取材が長引いてしまい、
終わったときは9時を回っていました。

和食、イタリアンなどいろんな店を探したのですが、
どこも、「もう閉店なんです」と素っ気ない。
バーガー・ショップは開いていましたが、
ディナーにハンバーガーはちょっといただけない。
そうこうしているうちに見つけたのが一軒の中華料理店でした。

そのときは9時半を回っていましたのでダメでも仕方ないと思い、
ドアを開けたところ、「まだ大丈夫よ」とおばちゃんの返事。
店員の何人かはすでに仕事を終えて食事をしていましたが、
お構いなしに入れてくれました。
嬉しくなって食べきれないほどの料理を頼み、
ビールを流し込んだというわけです。
店の方も閉店時間をおして私たちを入れた分のもとは、
取れたのではないでしょうか。

思い起こせば、今までも昼の中途半端な時間に空いているのは、
中華料理店だったということも何度かありました。
かつてはおいしい味を期待しての中華料理店でしたが、
今は他の店が閉まっているときの頼みの綱としての中華料理店。
そんな活用の仕方がありそうです。


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