旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第64回
億劫なハブ空港乗り継ぎ

北米などを旅していると、目的地まで向かうのに、
一度、航空会社の拠点空港に立ち寄ってから行く。
そんなルートを取らされることが多いものです。
たとえばアメリカン航空でロサンゼルスからカンクンに向かうとき、
途中でダラス/フォートワースに立ち寄るなどするわけです。
こうした運航手段はハブ空港システムといって、
便を拠点空港に集めて、そこから各都市へ飛ばすことで、
運航の効率化を図っているものです。

しかし、最近はこのシステムが本当に便利なものなのか、
疑問の声が上がるようになってきました。
アメリカ系航空会社の場合、日本からのフライトも
まずはハブ空港に立ち寄り、アメリカ各地へ飛び立つシステムを
取っているケースが多い。

ですが、日系の航空会社はロサンゼルスやニューヨーク、
サンフランシスコなどの人気都市へ直行便を就航している。
乗り継ぎ便より、直行便で行く方が乗り換えの手間がかかりません。
乗客もその方が便利だと感じて直行便の人気が高まってきた。
そのため、アメリカ系航空会社もそうした需要の多い都市へは、
直行便をより多く就航するようになってきたわけです。

アメリカの国内でも、サウスウエスト航空などの格安航空会社が、
単純往復のフライトを飛ばしています。
格安航空会社の人気が高まっているのは、料金の安さもありますが、
利便性もメリットになっていることは間違いありません。
直行便で行ける都市が増える動きは、旅行者にとっては、
歓迎すべきことだと思います。
飛行機に乗るのが楽しみ、という人は別ですが、
休暇の短い我々日本人にとって、移動の時間はより短いに
越したことはありませんから。


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