旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第63回
座席の広さを調整できないものか

今回の海外取材はアメリカ西海岸でした。
海外旅行者がずいぶん増えてきたのと、
夏休みに入る頃だということもあり、行きは満席、
帰りもそれに近い状態でした。
不謹慎かもしれませんが、SARS騒動で空いていた頃が
懐かしく思えるくらい窮屈なフライトでした。
もちろんエコノミークラスだったからです。

あの座席の狭さはなんとかならないものでしょうか。
私は幸か不幸か身長が180cm近くありますから、
足が前の座席に当たって窮屈でたまりません。
ロサンゼルスまでだと10時間前後も乗っているわけです。
身長150cmの女の子と同じ広さというのは、どうも納得できない。
その人の身体的な特徴に合わせて、広さを調整できる座席などを
開発できないものでしょうか。

そうしたサービスの前兆と思える座席はあります。
全日空やイギリスのブリティッシュ・エアウェイズ、
ヴァージン航空などが設置している広い幅の座席です。
同じエコノミークラスで、食事やサービスは他のエコノミーと
同じなのですが、ピッチ(前後幅)を広く取ってあるのです。
正規料金で乗るとかなりの上乗せ料金が必要ですが、
数万円の追加料金で乗れるディスカント・チケットも出ています。
現にこのタイプの座席はかなり好評だということです。

この種の座席をもっと多くの航空会社が設置する、
あるいは座席の幅を数段階に分けて、広さに応じた料金設定にする
などすれば、かなり受けると思うのですが。
ここ数年で航空券代は驚くほど安くなりましたが、これからは、
そんな付加価値あるサービスが求められる時代ではないでしょうか。
チャレンジ精神のある航空会社に期待したいところです。


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