旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第46回
まったく新しいガイドブック

「lonely planet(ロンリープラネット)」。
ある程度の海外旅行経験のある方なら、
このガイドブックをご存知だと思います。
個人向けのガイドブックとしては、世界最多の部数を誇っています。
ただ、今まで日本語版は発行されていませんでした。
英語やフランス語版を読まれていた方もいるかもしれません。

しかし、つい最近、日本語版が創刊されました。
まずは、ニューヨーク、パリ、南仏、ハワイの4地域から始まり、
今後、英国、イタリア、ベトナムなどの版が発売予定だそうです。
「ロンリープラネット」の日本語版が、
外国語を日本語にただ訳しただけのものなら何も珍しくはない。
ところが、このガイドブックには特筆すべき点がある。
すべてが署名執筆であり、執筆者は旅のプロなのです。

執筆者の顔が見えるので、ガイドブックというよりも、
単行本として読んでもおもしろい。
たとえば「ニューヨーク版」の基本情報の項には、
「女性旅行者へ」、「身体の不自由な旅行者へ」、「高齢の旅行者へ」、
「子供のためのニューヨーク」などと、いろいろな旅行者向けに
メッセージが書かれていて、その中に「同性愛の旅行者へ」という、
いかにもニューヨークのガイドブックらしいメッセージもある。

載っているホテルやレストランの数といった網羅性では、
従来のガイドブックが多いかもしれない。
しかし、「ロンリープラネット」には、何といいますか、
ハートがある。日本風にいえば、心がある、というのでしょうか。
今までどうして日本語版がなかったのか不思議な気もしますが、
日本人旅行者も個人旅行に慣れてきたから、
ガイドブックが出るようになったといえるかもしれませんね。


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