旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第31回
ビジネスクラスのサービス、同じ値段でもレベルは雲泥の差

航空会社にとってビジネスクラスは、いわば「メシのタネ」。
このクラスの埋まり具合は彼らの利益を大きく左右します。
値段はファーストクラスの方が高いのですが、座席の数が少なく、
「お得意様用にとってある席」といった存在になっています。
ある航空会社の場合、エコノミークラスの座席は全体の
70%以上に上りますが、売上の30%以上はビジネスクラスが占める。
ビジネスクラス1席あたりの料金は、
エコノミークラスの10席分にも相当します。
ファーストクラスは廃止する航空会社も多くなりました。
中には公には「ファーストクラスはない」ということにしておき、
上級顧客にだけ、こっそり利用させているところもありますが。

ビジネスクラスのサービスは、
ここ数年で飛躍的にレベルアップしました。
ファーストクラスを利用していた顧客に
満足してもらわなければいけない面もあるのでしょう。
以前はファーストクラスにしかなかったフラットシート、
いわゆる「ベッド仕様」のシートを設置する航空会社が急増。
眠っている間に現地に到着する」、そんな快適な空の旅が
ビジネスクラスでもできるようになりました。
シート自体の快適性も上がり、パソコン電源などの設備の充実、
ハイテク化が進み楽しめる映画の種類も飛躍的に増えました。

しかし、実際のサービスレベルは、
航空会社によって大きな差があります。
背もたれの倒せる角度の違い、シート自体の快適性の差、
パーソナルテレビがあるかないかなどと、
ひとつひとつを比べて見るとその差は歴然です。
ところが、同じ路線ならどの航空会社に乗っても料金はほぼ同じ。
同じ運賃を払っているのにサービスレベルは全然違う。
そんなことが起こりえるわけです。
そのことに納得できないなら、
格安航空券を売っている旅行会社をあたってみてください。
ビジネスクラスの格安航空券は、サービスレベルの違いを反映し、
実情に即した料金設定になっているからです。


←前回記事へ 2003年6月16日(月) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ