旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第26回
格安航空券は信用できない?

「格安航空券」という、安っぽい名前がいけないのでしょうか。
格安航空券はいまだに安売りの航空券だとか、
余り物のろくでもないシロモノだと思われることが多いようです。
あるいは、「ワタシは格安航空券など使わず、
ちゃんとしたツアーで旅行する」と、
考えている方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、ツアーで使われている航空券と格安航空券とは、
実は同じ種類の航空券なのです。
値段の高いツアーでも、安いツアーでも、それは同じです。
最近は旅行者の目が肥えてきましたから、
エコノミークラスで行くツアーであれば、
航空券代はかなり安く抑えられており、
割高なツアーはホテルのランクが高いとか、
食事のレベルが高いとか、豪華なクルーズが付いているなどと、
はっきりと違いが出ているものでなければ売れません。
逆にいえば、エコノミークラスの航空券代は
安いのが常識になっています。

格安航空券はツアー用のITという航空券から派生したものです。
「IT」とは「Inclusive Tour」の略であり、
この航空券は、本来はホテルなどとセットになったツアーとして
販売しなければなりません。
しかし、実際は航空券だけしか必要でない旅行者もたくさんいます。
そんな旅行者に航空券だけを販売しているのが格安航空券なのです。
格安航空券は、業界用語で「エア・オン」といいます。
ホテルなどとセットにせず、エア(Air)、つまり航空運賃、
それだけを、オンリー(Only)で販売しているため、
「エア・オンリー」、略して「エア・オン」と呼ばれているのです。

格安航空券の値段が安いのは、その品質が粗悪なわけではなく、
航空会社間の競争が激しいとか、シーズンオフで旅行者が少ない
といった市場原理が働いて値段が下がっているわけです。
確かに売れずに余った席を格安航空券として売ることがありますが、
最初から「エア・オン」の需要を見越して販売されているもの事実。
それに、もともとはツアー用と同じ種類の航空券ですから、
モグリの、ちゃんとしていない航空券などではないわけです。

格安航空券は旅行会社を通じて販売されますから、
もし、その品質に問題があったとすれば、
販売した旅行会社に原因がある場合が多いのです。
無用な心配などせず、旅のアイテムのひとつとして
格安航空券を活用しましょう。


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