第22回
両替の仕方を間違うと大損
最近は防犯の意味もありクレジットカードを使う人が増え、
多額の現金を持ち歩くケースは少なくなりました。
しかしクレジットカードの偽造が社会問題化している地域では
現金で買い物したい人が多いでしょう。
また、現金しか受け付けないバザールのようなところで買い物する
ときなどには、どうしてもキャッシュが必要になります。
ある日の成田空港でのことです。
それはやってはいけない両替の見本のような光景でした。
三人組のオジサンたちが多額の日本円をタイ・バーツに
両替していたのです。
タイやインドネシアなど東南アジアには
日本円の力が強い国が数多くあります。
たとえばタイでは2000バーツ(約6000円)もあれば
かなりデラックスなリゾートに1泊できますし、
400バーツ(約1200円)程度でコース料理が食べられます。
ですから、そのオジサンたちは迷わずタイ・バーツに
両替していたのかもしれませんが、場所が悪かった。
現地に行ってから両替しなくてはいけないのです。
日本で両替するときのレートは銀行が公表している
TTS(セリングレート)とは異なります。
TTSレートに外貨手数料が上乗せされているのです。
通貨は銀行にとって「商品」ですから、運用コストが発生します。
具体的には運賃や保険料、保管料などで、
これらをまとめて外貨手数料と呼びます。
この外貨手数料は保持している量が多い通貨ほど安くなります。
たとえば各銀行とも米ドルはかなり保持していますから、
他の通貨に比べると外貨手数料はかなり低い。
逆にあまり量を持っていない通貨は外貨手数料が割高になります。
タイ・バーツもそう。ですから、タイ・バーツは日本円を
持っていって、現地で入手した方がお得なのです。
逆に日本で入手しても損をしない通貨は
米ドルなどほんの一部しかありません。
南米など現地通貨でなく米ドルを持って行った方が
いい国もいくつかありますが。
言うまでもありませんが、金額が大きくなればなるほど
両替レートによる差額は大きくなります。
大損した、と、後で後悔しないようにしたいものです。
ちなみに、現地で残ったお金を日本円に替えるときは、
レートが悪い通貨ほど現地で両替した方がお得です。
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