第11回
海外取材に行ってきました
海外旅行をしてきました。行き先はタイで、雑誌の取材です。
SARS(重症急性呼吸器症候群)騒ぎの中での海外渡航ですから、
行くか行かないかは、自分で決めることができました。
結局は行くことにしたわけですが、いろいろと考えて判断しました。
まず、SARSが広まって約2か月、日本で患者が
出ていないのには理由があるに違いない。
日本人が普段食べている物の中にSARSウィルスを駆逐する力を
持つものがあるか、あるいは遺伝子に抵抗力があるか。
食習慣や遺伝的な理由があるのではないかと考えました。
そうなら、どこへ行ってもあまり心配はいりません。
それから、あり得ないとは思いますが、
当局が日本人感染者を隠蔽している可能性も考えました。
でも、もしそうなら、
人口密度の高い東京23区内で生活する私にとっては、
日本にいる方がリスクが高いかもしれない。
さらに、タイがSARS患者の抑え込みに成功していること、
今回の行き先がリゾート地で、人の集まる場所に出向く機会が
少ないこと。そうした理由を考え合わせて行くことにしたわけです。
私の考えがいい線をいっていたか、全く的外れだったかは、
いずれ医学者たちが明らかにしてくれると思いますが、
海外旅行とSARSについて考えるいい機会でした。
それにしても、当日の成田空港はゴールデンウィーク明けでもあり、
ガラガラの状態。 乗り込んだプーケット行き直行便の乗客は、
わずか16人。350人乗りの飛行機にですよ。
現地でも日本人の姿はほとんど見かけませんでした。
欧米人はいつもより少ないながら、けっこういましたが。
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