第10回
大きな飛行機ほど安全、の誤解
日本の国内線には、ジャンボ機がたくさん飛んでいますよね。
羽田−福岡、札幌には500人も乗れる飛行機が飛んでいますし、
主要な都市と都市を結ぶ路線では
300人や400人乗りの飛行機がほとんどです。
そんな大きな飛行機にばかり乗っていると、
50〜100人乗りの飛行機が
とても小さく見えて不安を覚える人がいるようです。
しかし、それは大きな誤解。
日本の空に大きな飛行機が数多く飛んでいるのは、
大都市の空港の滑走路建設が
需要に対して立ち遅れているのが大きな理由です。
つまり、滑走路が少なく飛行機の発着枠が限られているため、
一度になるべく多くの旅客を運ぶ必要がある。
500人乗りの飛行機は、実はボーイング社が
日本の航空会社のために造った、いわば特注機なのです。
世界的に見ても、
そんなにたくさんの乗客を乗せて飛んでいる機材は稀です。
日本でも地方空港発着の路線に小型の飛行機が導入されています。
たとえば、日本航空グループのジェイ・エアは
広島−新潟、宮崎などの路線を運航していますが、
2001年4月から50人乗りのCRJ200という飛行機を使っています。
この飛行機は、カナダの航空機メーカー、
ボンバルディア社のもので、
燃費のよさなどから、受注がいわば殺到した飛行機。
人気があるのはもちろん性能や安全性も
高いレベルにあるからです。
日本人観光客も頻繁に利用する、
ハワイの島と島を結ぶ飛行機も100席台が普通です。
小さめの飛行機だと多少揺れが大きくなることもありますが、
それも原因は気象条件が主。
飛行機の安全性は飛行機の大きさ云々よりも、
航空会社や国の安全に対する意識レベルの高さ、
乗務員訓練の内容、整備の厳しさ、
飛行機の新しさなどによると言われています。
一般にアジア、アフリカ、南米などの途上国と言われるところで、
事故率が高いのはそのためかもしれません。
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