元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1932回
ガンは「完治力」より「延命力」(1)

よく、大病院の外科医が
「切ればガンは完治します」と必ず言います。
初めてのガンの患者は誰しもがあわてていますから、
「きっとこの先生は“神の手”の持ち主に違いない」と信じて、
「先生、ぜひ切ってください」と、
まさに神にでも祈る気持ちで体を投げ出します。
ところが、現実は大抵が、その教授ではなく、
未熟な弟子や助手が切ったり、繕ったりすることになります。

もし、幸いにも“神の手”と称する名医に執刀されれば、
ご本人としては“本望”かもしれませんし、
応急手当としての手術がうまく終われば、
その場は凌げますから、
あるガンにかかったタレントが雑誌で喋っていたように、
「再発したらガンなんてまた切ればいいんです」
と信じている人がまだまだ多いように思います。

しかし、一つの病巣は削りとられても
生来、授かっている大事な臓器を失って機能低下するばかりか、
とくに大きな手術は他の臓器にダメージを併発して行きますから、
だんだん、免疫力を失って、最後は生命中心臓器に浸潤してきます。
いまの機械式外科治療では、
ガン「そのもの」でいのちを縮めるというより、
連発手術という「治療」で
いのちを縮めているケースが多いように思います。

このコラムでも何度も書いた事がありますが、
僕と同じ主治医に、
同じ頃、やはり食道ガンの手術を受けたGさんは、
4年間に4回、全身あわせて「2メートル」に及ぶ、
手術を強行されて、4年目に悶絶して亡くなりました。
僕は、そうした「患者を壊れた機械」のように扱う
惨いケースを何度も見てきましたから、
最初に、食道ガンの手術を拒否したばかりではなく、
再発、原発の危機に陥っても、
その都度、いくら医師に勧められても手術は断って、
漢方薬や食事療法などの養生法の組み合わせで
なんとか、ガンと「同行二人」、つまり、ガンと折り合って、
来年で、とうとう、延命10年を迎えます。

患者の体質にはいろいろありまして、
スポーツ選手のように頑強な人もいれば、
老齢者のように体力の落ちている人もいますから、
それぞれに合った治療法、養生法の組み合わせが、
「突発性老化病」といわれるガンには大切なわけです。

まえに「健康問答」という僕の主治医の帯津良一医師と、
作家の五木寛之さんとの対談集を紹介しました。
この本、20万部のベストセラーになり、
いま「健康問答2」という続編も出ているようです。
ま、本が売れるとわかれば、出版社の担当者は、
もう僕のようなものにまで配って、
書評してもらおうとは思わないのでしょう。
続編本は送られてこなかったので、おかげで、
新刊紹介はしなくて済みましたが、
それはともあれ、一冊目の「健康問答」で、
五木寛之さんがいいことをいっておられました。
「私はかねがね、『病気に完治なし』
という考えをもっているんです。
風邪から腰痛、ガンにいたるまで、
完治ということはあり得ない。またぶり返す。(略)
だって、人間は生まれた日から、
少しずつ壊れていくものでしょう」
その通りなんですね。
また、たしか、病気は「治す」(なおす)ではなく
「治める」(おさめる)ものだ・・・
といったようなことも語っておられました。

とくに、ガンは切り傷、擦り傷とは違います。
「突発性老化病」ですから、
ますます、患者は壊れた機械だとする、
いまの西洋医学の治療の限界を
患者と家族はしっかりと考えて、
治療養生、人生設計に望むべきだと思います。
ガンは「完治力」ではなく、
「延命力」がポイントなんですね。


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2007年12月11日(火)

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