元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1883回
修道院のハーブ療法(2)

フィトテラピーセミナー 
〜ドイツからの植物療法=『予防の為のハーブ』〜
ペーター・ゲルマンさんによる来日講演――、
12世紀、ドイツの修道院ハーブ療法として話題になっている
ヒルデカルト医学の話の続きです。

ヒルデガルトは1115年に17歳で正式な修道女となり、
「植物自体が効力を発揮しているだけでなく、
その創造主が人類に治癒の恩恵を賜れた」と、
独自のフィトセラピー(植物療法)を確立し、
普及させた女性ですが、
本場のヒルデガルト修道院では、その癒しの教えを守り、
現在は青少年や障害者を支援する団体で、
ヒルデガルト・フォーラムの施設があるそうです。

ヒルデカルト医学の研究家である、
ペーター・ゲルマンさんは、
ラムクソン、コリアンダー、
ヒソップ、ワームウッド、エレキャンペーン、
二ゲラ、カレンジュラ、カモミール、ミルクシスル
セージ、ラヴェンダー、ゼニアオイ、
セーボリー、パセリ、フェンネル、セロリ、タマネギ、
ガーリック、ディル、ルー、
メリッサ、マドンナリリー、ミント類など
約80種のハーブや樹木について、
スライド入りで、成分と「排毒・浄化」の作用について、
じつに分かりやすく解説していました。
一部を紹介しておきましょう。

       *

●ラムクソン(広葉にんにく)=ネギ科の代表で、
特に酵素を取るとき助けとなり、
また重金属と環境に有害な毒素を分解してくれます。
葉は花が咲く前に、春季の治療として用いられます。

●コリアンダー=排毒と浄化の治療に使われます。
また、体内に堆積した重金属の排出に必要不可欠です。
ただし、患者が口内にアマルガムを使っていたら使用禁止です。

●ゴボウ=この植物は、リンパと血液の強力な浄化剤です。
さらに、肝臓や脾臓、腎臓や皮膚、胆嚢と胆汁液を分泌する
内臓を活発にします。
ゴボウの根の軟膏も簡単に出来ます。
摺って粥状にした新鮮なゴボウを大匙2杯を、
大匙3杯のラード(豚の脂肪)か、無塩バターに混ぜ合わせます。
そこにお湯をかけて温め、汁を混ぜます。
煮立たないように柔らかく温め火からはずします。
冷まして容器に移し替えれば軟膏の出来上がりです。
リンパの滞る場合などに、患部に薄くクリームを塗ります。

●キンセンカ=体液を薄め、粘液を浄化することによって、
リンパの流れを活発にします。キンセンカの塗り薬は
自分でも簡単に出来ます。
処方:キンセンカオイル 500ml
    カカオバター     40g
    蜜蝋        40g
キンセンカオイルは煮立てないように慎重に温めます。
つぎに、カカオバターと蜜蝋を加えて溶かします。
融けたら別の容器に移します。
適応は切り傷、擦り傷、白癬、軽い火傷、リンパの詰まりなど。
ちなみに、キンセンカオイルとは、
花弁を植物油に浸し14日間太陽に当て、
よく振って作られる冷浸油のことです。

        *

どうです? なかなか興味深いセミナーでしょ。
講演の後には高本一郎さんとお弟子さんたちによる
古楽器・リュートの演奏会があり、
まさに五感を使っての癒しの療法のセミナーとなっていました。
詳しく知りたい人やフィトセラピストを志願する人は
主催者・平垣美栄子さんの
フィトテラピーサロン
「ディ・エステ・ガーデン」1や、
「国際植物療法協会(IPA)」2の
ホームページを覗いてみましょう。

講演の後で開かれた古楽器・リュートの演奏会

1 http://www.therapie.jp/
2 http://www.ipa-ac.jp/ipa.html


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2007年10月23日(火)

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