元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1829回
本は大切に読もう

僕のところには、ガンに関わる本だけでなく、
さまざまなジャンルの新刊や雑誌が送られてきます。
別に、僕は書評家で生計を立てているわけではありませんが、
送られてきた本は読んで、出来るだけ、
著者に返事を書くことにしています。

いまのテレビにしても新聞、雑誌にしても、
別に、政府の言論規制や法律におもねって
自主規制しているわけではないでしょうが、
どれを見ても読んでも同じテーマと切り口は
“金太郎飴”ですから、
この出版貧困の時代には、
とくに小部数でも精魂込めて書かれた本には、
なにがしかの知恵と勇気が込められていると信じて、
通読してしまうわけです。

そして、ひとつでも、
これからの時代に役立つことが直覚できれば、
このHiQのBLOGや、
季刊誌「いのちの手帖」の書評ページで
紹介することにしています。
もちろん、みなさんもご存知のように、
HiQは、1日10万ヒット数の人気サイトですから、
下手な売れない週刊誌よりは
数倍の影響力がありますからね。

さて、もし、みなさんも、友人や知人から、
自著の本や推薦の本が送られてきたら、
ゴミ箱の片隅に転がさないで、
ぜひ、読むことを習慣づけてください。
この情報錯綜時代に、一つや二つのユニークな知恵が
必ず込められているからです。

ところで、本を出版したり、自分が雑誌に掲載されたり、
また、定年を終えて自費出版した経験のある人もいるでしょうが、
友人知人に贈っても、読んでくれたのかどうか
返事をくれない人が多いものです。
もちろん、本を読みなれていない人もいますから、
そういう人に送ってもなかなか読んではもらえません。

さて、7年ほど前に、岩手の食生活アドバイザーの
鈴木美感子さん(ペンネーム・鈴木博子)と
「ガンを食べて治す」という共著本を書いたことがありまして、
ふたりして、当時、
あちこちの友人知人に贈ったことがありました。
最近は、とくにマクロビオティックブームで、
この本を読みたいという人が出てきているのですが、
残念ながら、この出版社の社長が大腸ガンで亡くなられて閉社。
すでに絶版になって手に入りにくくなっているのです。
いまでは鈴木さんも、
新古書本のオンラインショップなどで捜し求めて、
新たなマクロビオティック志願者などに配っているそうです。

ところが、先日、鈴木さんから別件で電話がありまして、
「新古書店で購入した『ガンは食べて治す』の表紙裏をみたら、
私や関根さんが昔親しくしていたKさん宛てに、
署名して贈った本が売られていたんです。残念ですね」
いやはや、いまは新古書ブームですから、
親しい友人知人に贈っても、
その人の本心が分かってしまうこととなります。
なんともユーモラスでとても寂しい話となるわけです。
僕もガン闘病記を何冊も書いていますが、
ある自然食品店のご主人に署名本を贈ったところ、
2、3日後には、食品棚の片隅にある本棚で売られておりました。

それ以来、本を贈られた方も迷惑なのだなと思いまして、
僕は、自著を送るときは読みたくない人が売りやすいように、
署名もなにも書かないよう決めています。
先にあげたケースのように、あとで、
お互いに気まずくなっても困りますからね。

ま、いまはペーパーレスの時代で、こうしたBLOGでも
ケータイでも情報が入手自在の時代ですが、
本という形式には、それなりの論理や構成の妙味がありますから、
やがては新古書店に売るにしても、ゴミで出すにしても、
送られた本は、必ず読む習慣を付けましょう。
これを機縁として、人間の「縁や運」が深まるばかりか、
一つ二つ、あなたの心魂に響くことが、きっとあるからです。


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2007年8月30日(木)

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