第1721回
医師は「学歴」より「職歴」で選べ
「患者漂流―もうあなたは病気になれない」
という新刊新書の話の続きです。
「貧乏人は病院にかかれない」
「地方の人は病院にかかれない」
「高齢者やリハビリ患者は長期入院ができない」
この少子高齢化、さらに医療費財政の悪化による
医療制度改革で長期の入院や治療が打ち切られる――、
医療過誤、院内感染は蔓延する――、
こうした「患者漂流」化現象の中で、
どうしたら、安心できる主治医を探すことができるか?
この本の著者の見解はきっと参考になるはずです。
ずばり、良い医者を選ぶポイントは「学歴」ではなく
「職歴」だとして、以下のような
「良い主治医を選ぶ条件」を上げています。
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●あなたが信頼できる主治医を選ぶ条件
A 初診前にあなたが求めておくべき医師の情報
(1)世に言われる「名医」よりも「良医」を探す。
その際、学歴よりも職歴を知ろう。
(2)友人、看護婦によく聞いてみて、評判のいい医師を探す。
(3)賭博をする医師やゴルフに夢中の医師、
アルコールや薬物依存の医師は対象外。
(4)不倫の噂のある医師や、家庭が円満でない医師は避ける。
威張る医師、不親切な医師、
(5)冷たく事務的な医師は前もって回避する。
B 最初にかかった時の医師の印象等による判断基準
(1)医院、特に診察室が清潔で、整頓が行き届いているかどうか。
(2)事務員や看護師が礼儀正しく、親切でやさしいかどうか。
(3)予約した診療時間どおりに、快く診てくれるかどうか。
(4)医師のふだんの身なりが清潔で、服装が派手でないかどうか。
(以下略)
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なかなか、アメリカ仕込みの
手厳しい医師のチェックポイントですが、
これが、これからの「理想の医師」なのですね。
前に、このコラムや拙著「ガン延命学新書」でも上げた
「医師のチェックポイント」とは以下のようなものでした。
《危ない医師のチェックリスト》
(1)挨拶ができない医師
(2)話をする時に目線を合わせない医師
(3)威張った医師
(4)怒りやすい医師
(5)治療を急ぐ医師
(6)知ったかぶりをする医師
(7)専門用語を平気で使う医師
(8)手術の自慢をする医師
(9)恩着せがましい医師
(10)平気で長期間、薬を飲ませる医師
(11)意味なく定期的に検査する医師
(12)治療を押し売りする医師
(13)資料を貸し渋る医師
(14)患者を実験動物のように考えている医師
これは、僕の敬愛する故・土屋繁裕医師が、
HBM治療(人間本位治療)に基づく理念から上げたものですが、
これからは、医療専門の弁護士の数が3倍になり、
ますます医療訴訟も増えてくると、
「患者漂流―もうあなたは病気になれない」の著者の
中野医師は指摘しています。
みなさんも、ぜひ、こうした心ある医師からの
医療チェックポイントを参考にしながら、
自分の納得できる治療設計、悔いなき人生設計を、
掴んでいって欲しいものと願っています。
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