第1682回
ドイツ植物製剤の「品質、効果、安全」チェック
3月25(日)、ドイツ連邦政府医薬品・
医療機器庁E委員会・元副委員長という
医薬品審査の権威で、植物療法(フィトセラピー)に詳しい、
医学・薬学博士のハインツ・シルヒャー氏が来日。
「ドイツおよびヨーロッパの自然療法の現状と今後の展開」
と題する
第9回・21世紀国際健康フォーラム講演の抜粋紹介の続きです。
(主催・日本レホルムアカデミー協会
協力・日本ノイホルム研究会ほか、
後援・ドイツ大使館 ドイツ商工会議所)
前回まで、ドイツで薬品として公認されている
ハーブのような植物製剤は、
(1)合理的植物製剤
(2)伝統的植物製剤・・・のふたつに分類されているという
話の内容まで紹介しました。
では、どんな厳格な基準で、ドイツでは
植物性製剤が「品質、効果、安全」の面からチェックされているか、
それに関するシルヒャー博士の講演です。
*
イチョウ葉、エキナセアなど、
約2300種の薬用植物(精油を含む)など、
ドイツにおける植物製剤の医薬品としての認可には、
以下のようなケースがあり、
ドイツで認められた植物製剤は国内で、
EU(欧州連合)で認められたものはヨーロッパで、
薬品として使用されています。
●植物製剤の医薬品としての認可
(1)EU(欧州連合)の欧州医薬品審査庁(本部ロンドン)の認可
(2)ドイツ国内の認可
(3)ドイツ連邦政府医薬品・
医療機器庁E委員会(コミッションE)の認可
(4)ドイツ薬事法109a条委員会の認可
※ 2010年以降、コミッションEのレベルが一番高い。
次に、これ以外のドイツにおける、いわゆる
「非合法的な植物製剤」はどう位置づけられ、
使用されているか?
これについて説明します。
その植物製剤といわれるものは、
まえに上げたように、
その性格が、はっきりと5つに分類されて流通しています。
(1)合理的植物製剤
(2)伝統的植物製剤
(3)代替療法として使用されるもの
(4)トランス療法で使用されるもの
(5)栄養補助食品(サプリメント)
【1】非合法的な合理的植物製剤の使用現況
(1)ドイツ連邦政府医薬品・
医療機器庁E委員会(コミッションE)の
研究論文担当によるもの
(2)商品ごとの研究もの
(3)有用成分の最低含有量を示したもの
(4)医師による処方もしくは推奨により使用するもの
ちなみに合理的植物製剤の例は、
約230種の薬用植物(精油を含む)で
イチョウ葉、エキナセアなどです。
【2】非合法的な伝統的植物製剤の使用現況
(1)ドイツ国内では1978年以降に伝統的に利用されてきたもの。
(2)効果の証明はない
(3)有用成分の最低含有量が規定の10%程度
(4)法的に認められていない
【3】アロマテラピーなど補完・代替療法として使用されるもの
(1)効果は不明
(2)ドイツでは医療として認められていない
【4】トランスカルチャー
(多民族文化)療法としてつかわれるもの
(1)医薬品ではない
(2)中国医療、アーユルヴェーダ、漢方、チベット医療など
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