第1638回
日本と台湾=ガン統合医療の「統合」は?
台湾大学医学院前院長・楊照雄さんほか
台湾医学界を代表する医師のメンバーや、
ガン克服患者でもある医師のみなさん10名と、
漢方と西洋医学を統合する
「中西医結合」の現状と将来展望について
意見を交換したのですが、
この主催者である国際癌病康復協会の
盧繼徽理事長の顔が広さの故でしょう、
この医学交流懇親会には、
いろいろな顔ぶれの台湾の名士が集まり、
とくに、これからの新しいガン治療分野である、
中国医学と西洋医学を統合する
「中西医結合医療」=ガン統合医療の実現を目指す、
台湾の主要メンバーが揃っていたようです。
その会のメンバーの中心人物は、
80歳を超えて、いまだ矍鑠(かくしゃく)と構える
楊照雄(台湾大学医学院名誉教授)さんでしたが、
日本語も上手で、ぜひ、日本の同じ志を持つ
医師や病院とも連携したい。
そのために、4月には来日されるという話を伺いました。
「日本の医療システムは西洋医学中心の一種類のようですが、
台湾や中国本土では
西洋医学、東洋医学、中西結合医の立場をとる
3種類の医師がおります。
私どもは、中西医結合医学、つまり統合医療の立場ですので、
この4月に日本を訪問して、監督官庁の担当者や
中西医結合医学の共同研究をしたいと思っていますが、
どういう分野の人に会えばよいでしょうか?」というのです。
日本の医学システムは、
台湾以上に西洋医学一辺倒で、
まだ中西結合医学、統合医学に理解をする人は少ないので、
その現状を説明し、
僕たちは、まず、ガン統合医療の草分けであり、
日本ホリスティック医学協会の帯津良一博士に会うのが
よいのではないか?と奨めておきました。
もちろん、台湾は東洋医学の本場ですが、
じつにユニークに患者本位の統合医療を推進、
新しいガン治療法として、
積極的に実現している医師がかなり増えているようなのです。
もう一人、謝瀛華さんという、
台湾における中西医結合医学のリーダー的な立場の
医師からも話を伺いました。
謝医師は、前にこのコラムでも紹介したことがあります。
「いのちの手帖」創刊号に掲載した
帯津良一博士VS王振国医師の対談特集のとき、
特別参加したマカオ科学技術大学教授です。
台湾の家庭医協会の会長で、
旅行企画や学校病院経営といった
患者の気持ちを考えたユニークな医療方式を
幅広く取り入れている方です。
台湾大学医学院前院長・楊照雄さんたちの一行は、
この4月の来日で、北里大学、富山大学など、
独自に東洋医学を研究する医師、
また統合医療に関心を持つ医師が多い大学も
訪問されるそうですので、
僕たちも東京での再会を約すこととなりました。
ともあれ、日台の統合医療推進の両巨頭が
東京で対面することになれば、
それこそ、より患者本位のガン治療の実現が
一歩一歩ですが、国境を越えて近づくのではないかと、
いまから期待しているわけです。
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