第1501回
「帯津良一VS王振国」の新刊書(4)
いま発売中の帯津良一博士と王振国医師の
新刊共著「新しいガン治療 もうひとつの地平を見つめて」
(K&Bパブリッシャーズ刊)の話、
そして、ふたりの4半世紀にわたる、新しい医療への
挑戦エピソードの対談抜粋の続きです。
*
帯津 臓器の局所や部分しか見ない西洋医学の強みが、
同時に限界だということが分かってきました。
部分を見るということはスポットライトを当てることと同じで、
周囲の状況を見失いがちです。
部分と部分、臓器と臓器の関連性、
体が全身としてどのように機能しているかについての
知見が乏しいのです。
西洋医学の限界を乗り越えるためには
部分と部分のつながりを見なければだめだと思い、
つながりを見る中国医学を思い浮かべたわけです。
従来の西洋医学に加えて、中国医学の4本柱である、
漢方薬、鍼灸、気功、食養生の治療を取り入れようと、
中西医結合治療を志して23年前に病院を建てたのですが、
なにしろ、どこにもお手本がないんです。
当時、日本には中国医学を駆使して
ガン治療にあたっているという病院は、
ほとんど皆無でした。そこで、とにかく中国へ何回もきました。
1980年代初めでした。
●中西医結合医学とは、西洋医学的な診断を
もとに中国医学的な治療を施すという医学モデルで、
ガンをはじめとする生活習慣病、
慢性疾患に対する治療戦略として、
中国では、戦後、政府が「中西医結合」を宣言してから、
中国医学が西洋医学とともに学校教育・医師の資格・医療制度と
すべての面で同じような体制をとり
「漢方薬」発展の礎となっている。
とくに特効薬を見出せないガン治療の分野において、
近年「中西医結合」という方向性は、
中国のみならず欧米や日本でも注目されている。
王 そのころ中国でもガンで亡くなる人が激増していましたが、
日本では、年間の死亡者数でガンが第一位になったころですね。
帯津 最初に、中国で知り合ったのが、
北京市立がんセンターと言いますか、
北京腫瘤研究所の李岩さんという先生で、
いろいろと最新の中国医学事情を連絡してくれました。
例えば、北京でこういうガン学会がある、
上海でこういう鍼灸や気功の学会があると。
それで情報で中国に勉強いきました。
たくさんの友人ができましたが、ある時、李岩さんの友人が、
天津の李徳華先生を連れて私の病院にきたのです。
そのときに、王さんの
天仙丸に関する文献も見せていただいたんです。
その非常に成績がいいということに驚いたのと、
もう一つはですね、臨床実態の調査をやった中に、
私の敬愛する友人で、
北京の広安門医院の朴炳奎医師も使っていることがわかり、
信頼したんです。
というわけで、すぐに李徳華先生に
「天仙丸を作った王振国先生に会いたい」と頼んで
実現したわけです。
王 でも帯津先生は、まさか、
私が中朝国境・長白山に近い吉林省通化市で研究したり、
治療しているとは思っていなかった。
帯津 そうそう。北京か天津の大都会におられると思って
気軽に考えていたのですが、
これから「11時間、汽車に乗る」というので、
びっくりしちゃったのです(笑い)
*
痛快なエピソードはまだまだ続きますが、興味のある方は
帯津良一博士と王振国医師の新刊共著を手にしてみてください。
「新しいガン治療 もうひとつの地平を見つめて」では、
専門的な症例、データはもちろん、
いかにガン治療に新しい発想が大切かを
分かり易く書いておられます。
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