第1500回
「帯津良一VS王振国」の新刊書(3)
いま発売中の帯津良一博士と王振国医師の
新刊共著「新しいガン治療 もうひとつの地平を見つめて」
(K&Bパブリッシャーズ刊)の話の続きです。
ふたりは、はじめて対面したわけではなく、
中西医結合治療といった新しいガン治療の道を模索しはじめた、
20年ほどまえに、親しく、将来の医学のあり方を
語り合った仲だったのです。
このあたりの喜びも悲しみも交えた、
それぞれの孤軍奮闘の履歴も、
この本でも明らかにされています。
その続きを抜粋紹介しておきましょう。
*
帯津 長白山の研究所に伺ったときは、
すでに天仙丸もいろいろ改良を加えて
各ガン別の製品も開発していた。
そうそう、口から服用できない重症の患者のために
座薬も開発したといって見せていただきました。
しかし、親指より太い座薬で、
これは実際の使用にはどうかナと、
心配しましたよ(笑い)
王 ハハハ、いまは小指ほどに改良されています。
体内への吸収力が早く、免疫力の低下している患者や、
迅速な賦活効果を期待する患者に使われています。
ともあれ、1200種類の生薬による試験を繰り返し、
作用の高い30種類の生薬を中心に調合するのですから大変でした。
いまでは笑い話ですが、
初めての天仙丸の試作品は一粒が
アヒルの卵の大きさでした。(笑い)
帯津 それを天仙丸という
小さいカプセルに入るまでのタイプに改良し、
さらに天仙液という飲みやすい製品も生み出したのですね。
王 いまでは、天仙液、天仙丸は
オーストラリア、タイなどでは薬として認可され、
アメリカ、台湾などでは健康食品と認定されています。(略)
(注・日本では未認可)
帯津 昔から王先生はアイディアマンであり、
熱意に燃えている人だと思っていましたが、
今回、改めて漢方薬開発の「格闘」について伺い、
また、この珠海市の新しい病院の施設を見せていただいて、
この道一筋、患者を第一に考えた
「治療の場」をどんどん広げている。
その情熱と成長振りに本当に敬服しました。
三国志演義に「男子三日会わざれば刮目(かつもく)して見よ」
という諺があります。
つまり、「三日会わなければ、よくよく目をこすって
相手を見なければならない」といった意味ですが、
久しぶりにあって、本当に目を見開いて、
王振国先生を見ています。そういう心境ですね
ところで、私自身が王さんと初めて会う、
その前に伏線といいますか、
私の「ガン治療革命」の
「格闘」について話しておきたいと思います。
王 帯津先生は、もともと食道ガン専門の外科医で、
東大病院にもおられた。そのガン手術の名手が、
どうして、西洋医学一辺倒から、
漢方薬や気功といった
中国医学にまで関心を持つようになったのですか?
帯津 1970年代の半ば頃ですね、
当時は「ガンを漢方薬で治す、
心で治すなんて馬鹿なことはない」
「ガンを治すのは外科手術だ」と思っていました。
しかし、一生懸命、手術をしても、
患者が再発や転移で戻ってくる。
どうも医学の進歩に見合っただけの
治療成績の向上が得られないということを、
何となく疑問に感じたのです。
というわけで、西洋医学の限界が何処にあるのかを考えたわけです。
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