元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1488回
ボロブドール寺院を訪ねて

この夏過ごした、
バリ島&ジャワ島での「孫ボケ旅行」の話の続きです。
孫娘のお守、ベビーシッターの時間とは別に、
僕たち爺さん婆さんは、1日だけ、
バリ島から飛行機で1時間、ジャワ島にあるボロブドールという、
仏教遺跡のまさに「いのちのパワースポット」に出かけました。

このコラムでもまえに書きましたが、
ヒマラヤ山系のチベットや中パ国境のフンジャラブ峠あたりの
「パワースポット」が好きで、ときどき出かけましたが、
ヒマラヤといえば、ユーラシア大陸とインド亜大陸が
激突して発生する地磁力エネルギーの高い場所です。
僕の趣味道楽のひとつ、風水環境学から見ても、
「龍脈」「レイ・ラインley-line」などと呼ばれる
パワースポットの源流に当たります。

地球自然の内なるエネルギーが多く流れ込み、
その結果、非常に濃いパワーの「ポイント」ができるわけですから、
不思議なパワーと心の安らぎがもたらされる・・・、
いってみれば、帯津良一博士の
ホリスティック医学の基本哲学ではありませんが、
「自己の養生を果たしていくと、
宇宙、外界の大いなるいのちにぶつかり、
その瞬間、“生命の躍動”【エラン ビタール(Elan Vital)】=
感動の小爆発が起こって、一人一人が歓喜に満ち溢れる・・・」
こうした地域に身を置くことは、
まさに、心身一新の養生旅行にも繋がるわけです。

バリ島から飛行機で1時間、
ジャワ島の古都・ジョクジャカルタにある、
ボロブドゥール寺院遺跡群は、
世界最大級の石造の大乗仏教※1寺院で、
8世紀頃完成したと言われていますが、
寺院自体がひとつの巨大な曼荼羅※2(仏教の理想郷)であり、
一説によると須弥山※3を模したものとも考えられていますから、
古来から聖域としてあがめられた場所です。
目を上げれば、
富士山にも似た霊峰ムラピ山(2968メートル)が
いまなお噴煙を上げて聳え立っています。

まさに、大自然のエネルギーに満ちた
サンクチュアリ(聖域)というわけですが、
現実に即して解説すれば、
インドネシアは世界第3位の火山大国であり、
ユーラシアプレートにオーストラリアプレート
(インド・オーストラリアプレート)がもぐりこむ
巨大断層帯に位置するため、南に250kmの位置には
スンダ海溝が形成される地震多発地帯であることは有名です。
この5月にもジャワ島ジョグジャカルタ南南西25キロで
マグニチュード6.3の地震が発生、5000人以上の死者を出したことは
忘れることが出来ない悲しく痛ましいニュースでした。
もちろん、何度も大地震、巨大噴火の災害に見舞われていますから、
ボロブドール寺院や隣のプランバナンのヒンズー教寺院は、
絶えず、崩れ落ちる石壁の修復を繰り返していますが、
現地の人たちの経済復興のエネルギーもすごいもので、
いまでは名物のオートバイが洪水のように溢れ、
町は活況を取り戻しておりました。

さて、パワースポットの話に戻しますが、ムラビ山をはじめ、
バリ島のアグン山(3142m)など、
いまもときおり噴煙を上げる3000メートル級の火山群は、
ヒンドゥ教や仏教の世界観では
「天界」「地上界」「地下界」の三界が交わる世界の中心とされ、
最も神聖な山として崇められています。
澄み切った青い空にそびえる霊峰、
そそり立つ古代の石造寺院の一角にたたずむ一日は、
まさに都会の喧騒とこの世の小さな計らいごと、
そして、心身を蝕む苦痛を吹き飛ばしてくれる、
さわやかさに満ちた、いのちのエネルギーを注ぎ込んでくれます。
東京のガン病棟に長居する空しさに比べれば、
こうしたパワースポットを旅することは、
元気を回復する養生そのものだと思っています。
いのちが洗われることは間違いありません。

※1 http://ja.wikipedia.org/wiki/螟ァ荵嶺サ乗蕗
※2 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9B%BC%E8%8D%BC%E7%BE%85
※3 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A0%88%E5%BC%A5%E5%B1%B1


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2006年9月23日(土)

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