元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1421回
続・抗ガン剤の「引き分け療法」

大半の患者が、
大病院の抗ガン剤治療から逃れられない・・・
ではどう治療選択をすればよいのか?
その答えのひとつとして、
ガン患者の代理人でもある、
ガン相談所=キャンサーフリートピアの代表医師、
三好立医師は、抗ガン剤の「休眠療法」を提案し、実践しています。
先月の「ガン患者とアンチエイジング」市民講座で
講演した、三好医師の話の続きです。

いわゆる、抗ガン剤の「休眠療法」=
ガン治療は叩きのめすのではなく、
「引き分けでいいじゃないか?」
これが「ゆったり延命法」=
スローエイジングの秘訣だという話です。

            *

●引き分けでいいじゃないか? ガンの休眠療法とは?
一般的な、抗ガン剤治療は、
人体の許容量に近い量,つまり薬として使える
ギリギリの量を投与してガンを壊滅させようという
考え方のもとに行われています。
そこには,「ガンの縮小なくして延命なし」
というスローガンが基本にあります.

抗ガン剤の使い方を例えてみれば、
コップ酒の一気飲みみたいな治療になります.
ガンの治療効果を(1)勝った(2)負けた(3)引き分けと分けると、
ガンの縮小こそ「勝ち」だという考え方です。
しかしながら、「勝った、だけど身はボロボロになっちゃった」では
「良い時間を一番長く」につながりません.
ですから,ガン治療においては,ダメージの少ない、
延命ということを考えれば
『勝たなくてもいい、引き分けでもいいじゃないか』
という考え方も大切なのです.
そこから抗ガン剤の新しい使い方が提唱され始めたのです.
私自身、この方法論に出会ったとき、
目からウロコが落ちた感がありました。

そして、登場したのが「休眠療法」という
抗ガン剤治療で、これを提唱したのが
金沢大学がん研究所腫瘍外科の高橋豊先生です。

休眠療法の「休眠」とは
『腫瘍の原発巣・転移巣が長期にわたり増殖せず、
静止したままの状態で、
宿主に腫瘍負荷をかけずに経過する病態』という意味です.
もっと簡単に表現すると,
「ガン細胞をたくさん殺すことばかり考えずに
ガンと同居して長生きしよう」ということです.
抗ガン剤の使い方も、
一般的な抗ガン剤の使い方とは異なり,
おちょこでちびちび、飲むのなら少しずつ、
体をいたわりながらゆっくり飲もうというものです。(略)

             *

詳しくは、「いのちの手帖」第2号(9月1日発売)に
掲載されますので、そちらも読んでいただきたいと
思いますが、ガン治療の選択肢は、これからますます、
「スローエイジング」「スローヘルス」の方向に向かってきます。
ただ「患者を壊れた機械」のように扱う、
これまでの手術、抗がん剤といった治療について、
患者と家族は、より周到に検討して、
治療設計を作っていくことが大切です。
「ガンを完膚なきまでに叩きのめす」ということは、
「正常細胞も叩きのめす」=死を早めることにもなりかねません。
旧態依然とした治療に固執する病院は、やがて流行らなくなる、
時代遅れになる――ことを予言しておきます。


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2006年7月18日(火)

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