元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1386回
【闘病記】多重がんに見舞われて

季刊「いのちの手帖」には、
多くのキャンサー・サバイバー(ガン生還患者)の方たちから
「いのちを掴む」ために綴った渾身のメッセージが
【闘病記 ガンはあきらめない】と題して
実名原稿で寄せられたため、
その生きる勇気が賞賛され、
また「いのちの手帖」に対する関係者からの評価も
高まっているわけですが、
そのスローヘルス延命闘病記からの抜粋――、、
「前立腺、大腸、胃・・・多重がんに見舞われて」と題する。
前「週刊金曜日」発行人の黒川宣之さんの原稿の続きです。

            *

NHKのスペシャル番組では、
広島で被爆し、この10年間で大腸がん、胃がん、皮膚がんなど
14回も手術した72歳の男性の例などが紹介されました。
原爆被爆者と同列に論じることはできませんが、
一般の多重がん患者の場合も、
最初のがんの発生原因が他の臓器にも作用して
二番目、三番目のがんを発生させる例が目立つそうです。
なかでも喫煙は、肺がんをはじめ口腔、咽頭、喉頭、膀胱など、
多くの部位のがん発生に深くかかわっており、
このどれかのがんにかかった喫煙者は
人一倍多重がんを警戒する必要があります。

私も62歳だった1996年から99年にかけて
三つのがんに見舞われました。
はっきりした原因はわかりませんが、
40年近い新聞記者時代の不規則な生活が
引き金になったのだろうと自覚しています。
最初の前立腺がんの時は、
当時在籍していた出版社が発足直後の
むつかしい状況だったこともあり、
とにかく早く治らなければと
全摘出術の痛みに耐えてリハビリに励み、
無我夢中のうちに社会復帰しました。
特に大変だったという記憶はあまりありません。

辛かったのは二度目の大腸がんです。
手術そのものは前立腺がんに比べればずっと楽なのですが、
続けて二度もというショックに加え、
初体験の時のような気持ちの張りが失われていたこともあって、
精神的にも肉体的にもかなり参りました。
二度あることは三度あるといいますが、
まさか続けてということはないだろうと勝手に思っていたら、
なんと二年とたたないうちに今度は胃がんに見舞われました。

同じような場所を続けて三度も手術して、
体力的・気分的にもつのだろうかと、
治療前から落ち込み切っていたら、
幸いなことに発見が早かったため、
内視鏡で焼き切ることができました。
これは検診の内視鏡検査とそう変わらず、
本格的な手術とは比べものにならないほど楽でした。
早期発見・早期治療のありがたさ、
大切さを身にしみて感じたしだいです。

短期間のうちに三度も続くと、
今度はどこに出るのだろうと逆に居直ったような気分になり、
予防に気をつけ早期発見して生き延びてやるぞ、
と張り切っているところです。(以下略)

                  *

詳しく知りたい人は、
ぜひ「いのちの手帖」創刊号を読んでほしいわけですが、
ちょうど、スローヘルス研究会主催の
市民講座セミナー「ガン患者とアンチエイジング」が
6月17日(土)に東京・お台場で開かれますので、
参加希望の場合は、事前登録※1してみてください。
黒川さんのメッセージも直接、聞くことが出来ます。


*1 http://www.aiset2006.jp
(なお、お蔭さまをもちまして「ガン市民講座」は予約満席と
なりましたので応募を締め切りました)


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2006年6月13日(火)

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