第1370回
QOL(いのちの質)と生存期間について
いま発売中の
季刊「いのちの手帖」で話題となった、
巻末大特集・30ページの再録抜粋の続きです。
ホリスティック医学の権威・帯津良一医師と、
中国漢方の第一人者である王振国医師による
「もうひとつある ガンの治し方革命」という
6時間の対談で、
なぜ、東洋医学や漢方が見直されるべきか?
ホリスティックな治療が見直されなければならないか?
このポイントが分かりやすく語られていますので、
まだ読んでいない方のために、
その実践現場からの見解を続けて再録しましょう。
西洋医学の医師たちからは大いに反論があるでしょうが、
30年以上にわたる「いのちの現場」からの論理は
見過ごしにはできない問題をたくさん提起していると思います。
*
●QOL(いのちの質)と生存期間をもっと重視しよう
王 33年の研究の過程で痛感したことですが、
私は薬を開発するときには、いつも動物に使うためではなく、
人間に使うことを考えてます。
ちょっと、極論に聞こえるかもしれませんが、
ある薬が、ネズミなどの動物に効いたからといって、
人間に効かなければ意味がないでしょう
人にまず効くということを前提とし、
そこから効くものを今度、動物にも使ってみて、
動物にも人間にも効くという発想からスタートしているのです。
私の漢方複合薬の場合も、十数種類の処方というのは、
先ず、中国の民間で確かにガンを縮小させたという、
成果をあげている生薬を探してきてですね、
そこから研究を始めました。
その研究はですね、
きちっと、WHO(世界保健機関)の規格に基づいて、
有効成分を科学的な方法で抽出するという
過程で製剤化しております。
実験の成果も国際的な基準にのっとった科学的な手法で、
第3者から評価を受けています。(略)
2004年には、台湾大学の免疫学博士・孫安医師によって、
天仙液に関する臨床実験が行われ、
K562(血液ガン、白血病)、MT−2(T細胞株)、
U937(リンパガン)CT26/RT1(大腸ガン)ほか
16種のガン細胞をアポトーシスさせる
(自殺死)ことを証明されています。
これは、アメリカの医学雑誌「Journal of
Alternative and Cmplement Medicine」に掲載されています。
ともあれ、西洋医学の研究というのは、
腫瘍の塊をどのようにしたら小さく出来るか?
といって、研究のための研究、
実験のための実験みたいなことばかりを競っています。
ですから、医学が人間の幸せのために生かされているのか?
ほんとうに疑問になってきます。
専門的用語で言えば、
いまの病院の治療は、
QOLつまり「いのちの質」ということを
かなり無視しているといえるでしょうね。
帯津 だからこそ、医療改革が叫ばれながら、
大半が旧習、因習、制度といった教条的なマニュアルに
こだわった治療に執着しているのでは、
ガンのようなミステリアスな病気を
克服することは出来ないわけです。
ここに、中西医結合を考え、
人間のいのちを丸ごと診ていく医学の確立
なによりも患者本位に戻る治療、
さらに患者のQOL(いのちの質)を高めるような「いのちの場」、
つまり、患者のQOLを
第一に考えた病院の建設が急がれていると思うのです。
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