元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1360回
スローヘルスの「理論と実践」(3)

僕たちが提唱している
「スローヘルス患者学=創造的延命学」がよって立つ、
基本理論は、「からだ」だけでなく、
「こころ」「いのち」といったMIND、SPIRITSも含めた、
人間丸ごとを見る医学=ホリスティック医学の考え方である――、
ホリスティックとはギリシャ語の「holos」(全体)を語源とし、
「いのちの全体のバランスを診る医学」といった意味ですが、
この医学の根源はホーリズム(全体論)という思想に基づいている――
この話の続きです。

●たとえば、ホリスティック医学の源でもある・・・
「全体論(ホーリズム)」の発想は、
1926年「ホーリズムと進化」という著書で、
南アフリカの思想家・ジャン・スマッツが提唱しました。
物事を機械論(アトミズム)や
合理論(プラグマティズム)に見るのではなく、
全体のつながりから見れば
「より創造的な未来が見えてくる」という考え方で、
政治経済学や教育学にもホリスティックな
発想が見直されつつあります。

●また、20世紀、
フランスの偉大なる哲学者・アンリ・ベルグソンは、
人類の進化を考察し、
進化とは、ただ生体が偶然、
変異を積み重ねたものではないと、論破しました。
いのちとは、大きな精神的エネルギーの流れであり、
その超意識の流れ=根源的エネルギーを、
「創造的進化」という著書の中で、
エラン・ビタール(生命の躍動)と名づけました。

Elan Vital【エラン ビタール】とは、
「創造的進化を促す大きなエネルギー」。
「人類を連綿として進化させている創造的な精神エネルギー」
とちょっと難しくなりますが、
分かりやすくいいますと、
あなたが、ちょっとしたこころのトキメキを持ったり、
前向きな希望を抱いたとき、
人間は困難を克服して「進化」出来る・・・こうした考え方です。

かといって、ベルグソンは、いわゆる
妄想宗教家やオカルトチックな神秘主義者ではありません。
物理学、数学にも生物学にも精通する哲学者です。
著書「創造的進化」の中で
「劣化するエネルギーは戻らない」とする
「熱力学第2法則」(エントロピーの法則)を踏まえた上で、
「より完全な生命を目指して
跳躍する根源的な生命エネルギー」があるがゆえに、
人類は悪い環境も克服し、進化できたのだ――と仮説し、
この精神的な爆発現象を
「生命の躍動(エラン ビタール)」と論理付けたのです。

もう少し、医療とのかかわりで分かりやすくいえば、
病気を克服する「自然治癒力」も、まさに
「生命の躍動」という精神エネルギーの発揚なのでしょう。
みなさんにも、闘病生活の中で思い当たることがあると思います。

というわけで、日本ホリスティック医学協会会長、
帯津三敬病院名誉院長であり、
僕たちのスローヘルス研究会の最高顧問でもある、
帯津良一博士らを中心に、
ただ人間のからだを機械的に分断修理するのでは、
とくにガンのような難病は治せない、人間は延命できない・・・
という医学研究が高まってきたわけです。
それぞれの心身にもたらされる“生命の躍動”“自然治癒力”を
全体のつながりの視点から大切にしていこうというわけです。


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2006年5月18日(木)

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