元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1267回
高い医療費は当たり前?

まえに、ガンのような難病患者も、
「医」と「食」に心がけることはもちろん、
これからは「財」にもしぶとく腐心すべきだ――、
つまり、衣食住にあらずして
「医食財」の養生に励めと書いたことがあります。

しかし、「財」の養生といっても
ただ貪欲にカネをためるということではなく、
いうまでもないことですが、
日ごろから、心身の健康を保ち続けていくことが
大きな「財」の知恵だ、「財産」となる時代でしょう。

さて、医療費負担増という
一人一人の「財」負担増の現実について考えて見ましょう。
ちょっとしたカゼや腹痛で医者にかかっても、
昔なら、千円札でお釣が来たわけですが、
今は「千円札が2枚、3枚、4枚と必要となってきた」
と感じていないでしょうか? 

長寿、高齢化社会とは、
財政赤字だらけの国に予算増の余裕はないというわけで、
医療費、介護費の自己負担増、
保険料増を、予想以上のスピードで強いる時代です。
ですから、これからは、国民皆保険で、
治療費や薬代が「安い」と思っていたのは錯覚だ――、
残念ながら、こう覚悟を決める時代が来た
と考えたらよいと思います。

たとえば、保険の利かない自由診療の治療を受けた人ならば
分かっていることですが、
数十万円、いや数百万円の請求書を手にして仰天するものです。
たとえば、ガンの放射線治療で効果の高いといわれる
重粒子治療を受ければ、
入院費込みで400万円は掛かります。
旅行先のアメリカで入院し、手術でもすれば、
500万円、600万円を突きつけられます。
これが、やがて医療費、薬代の常識になる・・・といったら、
「それは時代逆行だ」「そんなアホな」と思う人が多いでしょうが、
もう一度、原点に戻って
「いのちの値段」を真剣に考え直す時代が
日本にもやってきていると、僕は思っています。

そのまえに、国、医者、患者の「三方一両損」などと誤魔化しつつ、
患者の医療負担を多くし、
介護にしても、なるべく自宅で自立させよといった
乱暴な医療行政がエスカレートしていくはずです。

会社員の3割負担、高齢者の1〜2割負担、
高額医療費還付額の減額・・・といった、
国民の負担を強いる医療保険改定が目白押し。
さらに40歳以上の人は、
より高額の介護保険料を払うことになります。

さすが、改革断言居士を装う小泉首相にしても、
「国民よ、病院にいくな!」とは露骨にはいいませんが、
繰り出される医療負担増の連発を見ていると、
政府は、暗に「入院したければ高い金を払え」とでも
いっているように聞こえてくるではありませんか?
国民は、おいそれと医者にかかれない――、
そうした時代が目の前に迫っているといっていいでしょう。

極端な言い回しをさせてもらえば、
医療費は高いのが当たり前だ?という考え方が
大手を振ってまかり通る世の中になりそうですから、
この50歳以上が5000万人の長寿時代では、
国も企業も病院も、もう助けてくれないと
思ったほうが早いかもしれません。

では、どうしたらよいのでしょうか?


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2006年2月14日(火)

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