第1253回
ガンにあらずば人にあらず?
まえに、このコラムで
テレビのガン番組批評について、
僕の所見を述べました。
監督官庁にしても、がんセンターにしても、
さらに大きなマスコミにしても、
相変わらず、「局部も殺すが正常細胞も殺す」という
荒治療至上主義の「標準治療」とやらを妄信し、
その弊害にはなるべく触れないようにする――、
ただ、アメリカの「化学抗ガン剤制度の導入」や、
イギリスの「疼痛緩和制度の導入」という、
いわば「欧米ものまね論」でお茶を濁す――、
近代100年のガン治療制度は、
「ガンは不治の病」論にいまだ安穏とし、
いまや、ガンはいのちの老化全体に関わる
「人生病」「国民病」であるという実態から
眼をつぶってきたと思います。
しかし、感染病対策の進歩、病院の延命装置の普及、
食糧事情の改善などで平均寿命がぐんぐん伸びています。
皮肉なことに、寿命が伸びれば伸びるほど、
ガンの発病者が急増していくことになります。
ガンは感染症や伝染病、また切り傷や打撲傷ではありません。
いわば「突発性の老化病」ですから、
長寿時代が進展すればするほど、
世界では毎年、700万人がガンで亡くなり、
日本でも30万人以上が亡くなっていくようになったのです。
いまやふたりに一人がガンになる時代といわれています。
あなたの友人、知人の消息を聞いても否定できないと思います。
このHiQのコラムのタイトルではありませんが、
「気が付けばあなたもガン」というのが、
21世紀のいのちの現実なのです。
僕たちスローヘルス研究会が、この3月に発行する
季刊「いのちの手帖」にも寄稿していただいた、
出版評論家で、直腸ガンを克服して9年の塩澤実信さんと、
「もはや、ガンにあらずば人にあらず・・・
といった時代だなあ」と、
先日、冗談めいて電話で笑ったことを思い出します。
ことほどさようで、国も監督官庁も、
大学病院も、そして、多くのマスコミも、いまだに
「ガンは特殊な伝染病か感染症」とでも“錯覚”して、
「ガンは叩きまくれ」と「不治の病」論に安穏としていますが、
はたしてこれでよいのか? よいはずがありません。
やがて大病院の院長も医師もガンになり、
(がんセンターの総長が4代に渡って
ガンで亡くなったとは有名な話です)、
厚生労働省の役人とて、
この突発性の老化難病からは逃れられません。
人口の大半が「ガンの時代」なのです。
「ガンは他人の不幸病」
「ガン患者はかわいそうな人たち」
「ガンの俳優さんや歌手って大変ね」などと、
他人事で眺めてはいられないのです。
「明日はわが身」、「気が付けばガン」
「ガンにあらずば人にあらず」――、
ちょっと言い回しは穏当ではありませんが、
これが偽らざるガン猛威の実態なのです。
季刊「いのちの手帖」の「創刊の辞」で
ホリスティック医学の草分け、帯津良一博士は
「いのちの時代へ」と題して、次のように書いています。
「ガンのような病気はからだだけを診るのではなく、
からだ、こころ、いのちの人間全体のつながりを診る――、
ホリスティックな医学が待たれています。
21世紀は、養生の時代、いのちの時代の到来です」
僕たちの考えに少しでも賛同する方は、
ま、PRにもなりますが、
新雑誌「いのちの手帖」を一度、読んでみてください。
発売は2月20日ころです。
問合せ先は以下です。
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