元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1222回
あるがままに生きる

帯津良一先生の近著
「あるがままに生き 死を見つめる 7つの教え」
「攻めの養生訓」の話の続きです

1.勤運動(運動にいそしむ)
2.練気功(気功を練習する)
3.節飲食(食事を節する)
4.暢情志(心をのびやかにする)
5.慎起居(正しい日常生活)
6.適環境(環境に適する)
7.補薬物(薬で補う)

そして、本の後半では、結論として、
「生きるも死ぬも、あるがままに」という
さらなる、時空を突き抜けるような
「攻めの養生訓」いや「人生観」を提案しています。
まさに、日ごろからに「死に方用意」でもありましょう。

「私たちはこの地球上で
 (死後の世界へ)旅立つ日に備えて、
 飛行士として鍛えられているようなもの。
 打ち上げ準備をしている。
 それが生きていることだと私は思います」

西洋医学の臓器切断式治療だけにとらわれない、
じつに、ホリスティック医学の草分け、
帯津医師らしい、人間の心身全体のつながり、
さらに、遺伝子、細胞、心身から、
宇宙自然のエネルギーのつながりを、
日ごろの養生法として看破し、
書き下ろした本です。
ぜひ読んでみましょう。

ちなみに、近代100年とは、
法制度も教育制度政治経済のシステムも、
デカルト式パラダイム=「二元論」に基づいて
作られてきました。
いま、そのパラダイムの欠陥があちこちに出てきて、
世の中が、いや地球全体の歯車が
狂ってきているわけです。
物質と精神、身と心、善と悪、体制と反体制・・・。

とくに、その限界を見せているのが、
身と心を分けて考える、近代医学、医療の世界でしょう。
「ガンは大病院で手術すれば完治する」
「ガンは化学薬の投入で完治する」――、
大半の医師や病院が、声高に喧伝し、
これを金科玉条として
信じている患者さんもたくさんいます。
はたしてどうでしょうか?
長く延命すればするほど、
人間の精神性を無視した治療は通用しない!
そう感じる患者さんが増えてきたのではないでしょうか?

じつに複雑な「つながり」で出来ている
「人間のいのち」を、まるで機械を扱うように
分解するのが常識となっている病院で、
とくにガンのようなミステリアスな病気を
治せるわけがないのです。

最近は、人間のいのちを「デカルト式」に
「身」と「心」に分けて考えるのはおかしい――と、
心身心理学という分野も出来てきましたが、
まさに、これからは、中国医学など東洋に伝来する
「心身一如」の全体のつながりを見る医学の知恵も導入する、
そうした医療が待たれているわけです。

まえにも書きましたが
「アトミズム」(要素論)、
「プラグマティズム」(合理論)の分断発想から、
「ホーリズム」(全体論)の見直しです。
帯津医師は「医者は機械の修理工ではなく、
庭師であるべきだ」といっていますが、
「いのち全体のつながり」をあるがままに見る
ホリスティックな発想が、
より広範に見直されるときを迎えているわけです。


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2005年12月31日(土)

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