元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1163回
体を温める食へ物←→冷やす食べ物

「原産地が寒く冬が旬のものや
 根菜類などは体を温める」
「夏が旬のものや葉もの野菜、
 果物、精製加工品、化学調味料は体を冷やす」――、
ここを見極めて、冬の食生活を工夫することが
万病に勝つヒケツだ・・・という話の続きです

では、体を温める食べ物は
どんなものを摂ればよいのか? 
冬に「冷える食べ物」とは以下の食品です。

●夏の野菜、果物、熱帯の作物は体を冷やす
トウモロコシ、ナス、トマト、
ジャガイモ、アスパラガス、キュウリ、
紫キャベツ、牡蠣、はまぐり、蛸、イカ、鱒など。
ただし、冬場は焼く、煮る、干す、
調理に時間をかけると、
体を冷えから守ってくれます。

●体を温める食べ物←→体を冷やす食べ物
  体を温める食べ物 ←→ 体を冷やす食べ物
【穀類】 雑穀、稗、蕎麦、玄米、胡麻 ←→ トウモロコシ、小麦
【茶】 高麗人参茶、番茶、蓬茶、紅茶 ←→ 緑茶、コーヒー
【果物】 桃、梅、さくらんぼ、クルミ ←→ バナナ、スイカ
【酒類】 熟成された高級ウイスキーなど ←→ ジュース、シャンパン、ワイン、ビール
【肉類】 雉、七面鳥、鶏、兎 ←→ バター、チーズ、アイスクリーム

しかし、あまり厳密に考えるのではなく、
1週間に1回くらいは息を抜く食事(ハレの食事)を
少々摂ることも、ストレス発散になる――
「いい加減」ではなく
「よい加減」で食生活を工夫するのが、
バランスのとれたスローヘルスの知恵でしょう。
とくに、体質的に男性より脂肪が多い女性は、
「冷え性」をこじらせないためにも心してください。

「食べ物は薬である」――、
これが東洋の風土にあった健康法の原則なのです。
西洋医学では、病気が同じであれば薬も同じです。
しかし、中国医学では
必ずしも同じということはありません。 
たとえば、薬膳では、
すべての食べ物は薬になると考えられています。
ただし、やみくもに食べるのではなく、
それぞれ自分の体質に合った食べ物を
食べることが大切になります。

中国医学の特徴の一つに
一人一人の体質・体調を調べて
治療にあたるということがあります。
人の体質・体調は、大きく分けて
「寒・熱・虚・実」などと分類し、
「寒には熱を、熱には寒を、虚は補い、実は瀉す(流し出す)」
と処方や食事を組み合わせていきますが、
覚えやすく図式化すれば、以下のようになります。

●寒症の体質の人、もしくは冬--- 熱・温の食べ物
●熱症の体質の人、もしくは夏--- 寒・涼の食べ物

このように組み合わせれば中和されるという考え方です。

ようするに、冬を乗り切る食事法の原則とは
中庸=バランスの取り方にあるわけです。
精力をつけるからといって肉をバリバリ食べる、
具合が悪いからといって
抗ガン剤を大量投与する――、
こうした偏った考え方こそ「健康維持の敵」なのです。


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2005年11月2日(水)

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