元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1155回
「健康管理のすすめ」のウソ

先日、NHKラジオの朝の番組を聴いていたら、
これからは、ますます、
国民健康保険で治療する人が増える、
そうすると、国家負担も増える、
さらに病院の窓口で払う
自己負担医療費も増える――、
こうした長寿社会の「健康管理のすすめ」について、
元NHK出身の大学教授に解説させておりました。

では、健康管理を国民はどうはたせばいいのか?
この番組では、自己防衛策として、
3つ挙げていました。

1.普段、健康診断に縁の薄い、
  自営業者や主婦も、誰でもが、
  事前に健康診断を受けろ・・・

2.もうひとつ、
  とくに、死亡上位の心疾患、脳疾患は
  内臓脂肪型の肥満が原因だから、
  生活習慣を変えろ・・・

3.生活習慣を改める方法は、
  1に運動、2に食事、3が禁煙で、最後が薬・・・

というものでした。

なるほど、なるほどと感心した人もいるでしょうが、
ちょっと、待ってください。
この解説者の言は、
「患者向けの健康管理のすすめ」にコト寄せて、
国家財政緊迫の折だから、
無駄な医療費は使うな!という
国の代弁を声高に強調したかったのではないか?
簡潔にまとまった提案でしたが、
いかにも、行政に媚びたNHKらしい
「国民啓蒙」番組のように思えてなりませんでした。

国家財政緊迫の折だ、
ムダな医療費は使うべからず!
中身や話し方は、
とても優しいものでしたが、
かつての「贅沢は敵だ!」
「ムダは非国民」式の響きが
ここに隠れているように思えてならないのです。

これは、僕の一人だけの疑念でしょうか?
僕は一人の患者として、
一人のジャーナリストとして、
「病気は患者(もしくは神)が治して、
 医師が包帯を巻く」・・・
この人間本位のHMB
(ヒューマン ベースト メディスン)が
基本だと思っていますから、
天下の公共放送が、
国民や患者に甘言(いや詭弁)を弄するとは、
あまり感心したものではありません。

なぜ、この解説者の「薬は最後」
「いや、ムダは非国民」式の論理が、
患者や患者予備軍にとって“まやかし”かといいますと、
この解説者は、
いのちの大病をしたことがないのでしょうかね?
老人や子供たち、
そして、多くの難病患者の気持ちが
よく分かっていないように思えたからです。

僕の考える、このマスコミ批判については、
明日、詳しく述べます。


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2005年10月25日(火)

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