元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1119回
テレビの「○×」論調を疑う

少しまえに、どうもテレビなど、
マスメディアの論調が
「短絡思考」に走っているのは如何なものか?
ますます「バカの鏡」と化しているのではないか?
ということに触れたことがあります。
このコラムで書いている、
健康を育む「環境の場」の問題だけでなく、
どうも、日本全体を覆う
「空気の場」が、
少々、乱れているようで心配です。

こんどの衆議院議員選挙にしても
どうでしたでしょうか?
小泉流の「郵政改革・イエスorノー」という
じつに単純なプロパガンダに、
テレビのワイドショーの
あるタレント司会者などは
「歴史始まって以来の、
 直接選挙の感じで素晴らしい。
 新しい日本の到来ではないか」などと、
単純にうれしがっておりました。

ま、こうした「空気」=風潮について
賛否両論があるでしょうが、
逆にいえば、
ここにメディアとしての“弱点”が潜んでいるわけです。

「分かりやすさ」を一つの主旨とする
テレビ・メディアは、
娯楽番組だけでなく、
政治も経済も、なんでもかんでも
○×式のクイズ形式を多用します。
選挙候補者のテレビ演説もしかり。
政治や経済の地勢学的、歴史学的な
構造やビジョンなどを解説していると
視聴者からチャンネルを変えられてしまうと、
恐れをなして、
いきおい、番組の作り方を
○×式に輪切りにしてみせるわけでしょう。

おまけに、この短絡思考にかなった
タレント評論家ばかりが
どの画面にも登場して、
また「○×式」で
アホなコメントをまくし立てますから、
まさに、テレビは「バカの鏡」と
化したのではないでしょうか?

まえに「買ってはいけない」といった本が受けて、
「読んではいけない」といった
書評を売り物にする雑誌も登場しましたが、
「見てはいけない」と、
テレビを批判する
活字メディアも激減している・・・。
どうも、日本全体を覆う
「空気の場」がよどんでいるようで心配です。

いのちを掴む、いのちを守る、
「健康」と「医療」の問題もしかりなのです。
とくに、いま蔓延する「○×」式の治療では
ガンといった複雑な症状も治せないわけです。

もう少し、日本人は「知恵が回っていた」
のではないかなあ?
そんなことを思うのは、
昔、メディア・ビジネスを生業としていた
僕の取り越し苦労でしょうか?
日本全体を覆う
「空気の場」がよどんでいるのは心配です。


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2005年9月19日(月)

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