| 第1078回医療ミスと医療苦情
 「担当医らが遺族に直接謝罪 医療事故の東京医大病院」
 「医療ミス!患者死亡事故の女性看護師に罰金50万円」
 「点滴ミスの医師起訴猶予 山口地検周南支部」
 毎日、毎日、どこかの新聞で病院での医療ミスのニュースが
 繰り返されています。
 病気は「病原ではなく治療で死ぬ」?
 こうした惨状が現実とすれば、
 あなたや家族のみなさんも
 思わず背筋が寒くなる思いがしないでしょうか?
 僕の知り合いのガン患者でも、お腹の中にハサミを忘れたといった
 医療ミスだけではなく、
 無用な拡大手術の後遺症、
 強い抗ガン剤の連続投与による合併症――、
 明らかにおかしいと思われる“治療ミス”で
 亡くなった人も多いのです。
 ちなみに、最近、「日本医療機能評価機構」の調査で
 以下のような驚くべきデータが公表されました。
 「医療苦情 患者の3割以上が泣き寝入り」
 というものです。
 「日本医療機能評価機構」は、
 病院評価の第三者機関ですが、
 「誰に相談していいか分からない」
 「相談しても解決しない」というのが
 患者の大方の実態だというのです。
 「相談すると医師や看護師に嫌われるかもしれない」という回答も
 10%あったといいます。
 ちなみに、国の都道府県は
 医療に関する苦情を受け付ける
 窓口「医療安全支援センター」を
 設置しているのですが、
 同センターを知っていると答えたのは
 これまた1割程度だったというのです。
 あなたにも思い当たりそうな医療ミス、医療苦情の報告ではありませんか?
 そうした「泣き寝入り」も、
 地方へ行けばいくほど多いようです。
 関西の地方都市にいる僕の知り合いも、
 あきらかに点滴ミスでなくなったのですが、
 「この町には、
 大きな病院がひとつしかありませんから、
 ここで抗議でもしたら、住んでいられませんよ」と、
 泣き寝入りしたのです。
 こと医療ミスのみならず、ガン治療の
 「日本の病院の後進性と地域格差」については、
 週刊金曜日で「多重がんに見舞われて」という
 長期連載の中で
 同誌の社長である黒川宣之さんが
 厳しく指摘しています。
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