元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1046回
ガン患者会のこれから

ガン友といいますか、
忘れえぬ仲間のひとり、
原田廉平さんの無念の死と、
奥さんのその後の様子について
前回書きましたが
そのことが「週刊金曜日」の社長である
黒川宣之さんの長期連載エッセイ
「多重がんに見舞われて」の
第21回に少し登場しました。

黒川さんについても、
このコラムで紹介したことがありますが
前立腺ガン、胃ガン、大腸ガンと、
多重ガンと闘って10年の延命を保っている方です。

連載の内容は、大阪で、5月28日に開かれた
日本初のガン患者全国大会のことで、
患者主体の「がん情報センター」の設立の要望書を
当日、出席した尾辻厚生労働大臣に
手渡したという画期的な出来事をレポートしたものです。
その最後に、これからのガン患者会のあり方について
黒川さんの見解が載り、
最後に、4月に開かれた
僕たちのスローヘルス懇親会の模様が紹介されたのです。

「がん患者の半分が5年以上生き残るようになり、
 治療後の生活の質(QOL)に対する関心が高まってきた。(略)
 インターネットの普及も大きい。
 ホームページを活用すれば
 比較的容易に組織を立ち上げ、賛同者を募って
 活動を開始することが出来る。(略)
 関根進さん(スローヘルス研究会)の活動も
 インターネット抜きには語れない。
 関根さんが主宰している研究会の会合をのぞいたら、
 専門医による講演や参加者紹介に続き
 最近亡くなった会員の家族が
 『みなさまのおかげで
  故人は最後まで希望を持つことが出来ました』と
 感謝の言葉を述べていた。
 交流は本人が亡くなった後も続く。」

ここに登場する、家族の言葉とは、
原田さんの奥さんの清美さんの
当日の挨拶の一部です。

この連載の中で、黒川さんが
ガン患者会の問題についても言及しています。
「患者団体の活動が活発になってきた背景として、
 多くの関係者があげるのが、
 日進月歩で進むがん医療の狭間に残された
 患者と家族のあせりだ。」
「大きく広がってきた活動だが、ひ弱さも抱えている。
 中核となって活動している人の病状が重くなれば、
 即休眠となりかねない団体がある。」

現実の結論は
「患者の受け皿になればよい」というわけですが、
原田さんの奥さんのように
夫の意思を受け継いで、
さらに患者会を続けて行こうという
真摯な動きもあります。
まさに、これからは、患者だけでなく、
家族、友人が一体となって、
子々孫々に向かってメッセージを繋げる、
「命のバトンタッチ」の時代でしょう。

先に逝ってしまった原田さんにしても、
前回、書いた倉本さんにしても、
いまなお、残された者たちを後押ししてくれている――、
そう考えると、希望と勇気が湧いてくるのです。


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2005年7月8日(金)

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