元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1016回
「禁煙=増酒」ではいけない!

昔の悪友、競馬ライターとして鳴らしたHさんと
食事をした話に戻します

現役のころは、
酒、タバコ、暴飲暴食の自堕落な生活を、
ともにした仲間ですから、
お互いによく「生き延びてきたものだ」と
ついつい、話は中年からの養生話に
なってしまったのですが、
Hさんは、この1ヶ月、タバコを吸っていない、
やっと60歳を過ぎて
禁煙に挑戦しているといって、
おしゃぶりのような禁煙用パイプをくわえているのです。

突然タバコをやめた場合、
ニコチンパッチ、
ニコチンガムなどいろいろ試す人がいますが、
一方で、ニコチン欠乏による、いわゆる
禁断症状を起こして、
とくに若い年頃ではイライラが募り、
ついに禁煙断念を繰り返すことになります。
でも、Hさんは、こんどは続きそうだというのです。

とにかく、前にも書きましたが、
ガンの原因の30%は、タバコが原因という
データも上がっておりますから、
止められれば止めるに越したことはありません。
もう、20年、30年も吸っていれば
肺が真っ黒で間に合わないとする説もありますが、
それを言い逃れにして、50歳、60歳を過ぎても
ヘビースモークを繰り返すのは考えものです。

僕自身も、もう30年ほど前に、
悪性の痔を手術してから、
タバコと酒は止めようと思ったのですが、
まだ現役の最前線でしたから、
酒を止めると、付き合いや営業に差し障ると考えて、
タバコの方をきっちり止める決心をしたのです。

禁煙のために飴をなめたり、
ガムを噛みすぎて、
とうとう虫歯で治療した歯が次々と壊れ、
差し歯の治療費で100万円くらい
掛かったことを思い出します。
とにかく禁煙には成功しました。

ところが、いま思い返すと、
「タバコを止めた分、酒の量が増えた」わけです。
おまけに、あとで分かったことですが、
僕も日本人の半数が持つ、
アルコール分解能力の低い体質のようでしたから、
50歳を超えて、じわじわと食道に
ガンの腫瘍が巣を食っていったわけです。

養生もいろいろ工夫しなければ
健康バランスが保てないわけですが、
「禁煙=増酒」というのでは、
効果が半減したのかもしれません。
心身の養生も「いい加減」はいけませんが
「よい加減」が大切です。


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2005年6月8日(水)

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