第1011回
患者の工夫 家族の心配
NHKテレビの「生活ほっとモーニング」
という番組で取り上げていた、
「〜食べ物・生活習慣で防ぐがん〜」の話の続きです。
WHOの調査による
「ガンのリスク要因と防ぐ要因」
とは以下のようなものです。
ガンのリスク要因は
「肥満、アルコール、塩蔵食品や塩分、熱い飲食物」。
ガンを防ぐ要因は「野菜果物 運動」。
さらに、食事とガンの関係については
次のように分類しておりました。
●野菜果物不足のガンは「口腔ガン、食道ガン、胃ガン」
●塩蔵食品によるガンは「胃ガン」
●肥満の人は「食道腺ガン、大腸ガン、
閉経後乳ガン、子宮体ガン、腎臓ガン」
●運動不足の人は「結腸ガン、乳ガン」
先日、「野菜をよく食べても大腸がん率は大差なし」
という研究データが
厚労省研究班から発表されましたが、
国際的な研究では、そうは言い切れないというのが、
この番組の見解で、僕もそう思います。
また、番組ではガン予防ポイント」として、
以下のようなことをあげていました。
・野菜果物1日400グラム (野菜は毎食食べる、果物一回)
・塩分は最小限に (1日9〜10グラム以下)
・定期的な運動 (断続的に散歩など1日60分)
・太り過ぎない・やせすぎない (BMI数値は21〜25が適正)
(*BMIの出し方=体重÷身長÷身長「メートル」)
・熱い飲み物は最小限 (口腔に焼けど、炎症を起こさない)
・アルコールは控えめに (日本酒1合、大瓶ビール1本まで)
・タバコは吸わない (他人のタバコの煙も吸わない)
タバコがもっともリスクが高い・・・
これはあくまで基準ですね。
よく、テレビの番組で
「ガンによい食べ物」といって
単品があれこれ挙げられますが、
「偏って食べるのがよくない」のですね。
ある特定の栄養素がガンを予防するかどうかは、
まだ、はっきり分かっていないのが現実なのです。
僕自身は以下の「食習慣の基本3原則」を考えて
なるべく、食事は楽しむようにしています。
(1)過ぎたるは及ばざるが如し
(2)身土不二(自然のものを食べる)
(3)体を冷やさない、食べるより出す
なお、この番組のゲストに、
胃ガン手術で胃の3分の2を取った
落語家の林家木久蔵師匠が元気に出演していましたが、
●食生活は歯を大事にする。
●運動のために車に乗らず、駅の階段を早く登る。
●「ヤッ トウ エイ」と掛け声を出して、朝、木刀の素振り。
という、食事と運動の工夫を話していましたが、
「手術のとき、連れ添ってくれた家族の顔を思い出すと、
『生きないと駄目だ』と
勇気が奮い立ってきましたね。家族が大切です」
という言葉が印象的でした。
このコラムで何度も書いていますが、
最新療法を探すことも大切ですが、
患者の工夫と家族の協力が、
ガン克服の「最大の良薬」なのです。
久病良医(きゅうびょうりょうい)=
長患いした患者こそ優れた医師だという諺がありますが
まさにそのとおりだと思います。
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