元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1000回
日本人らしい「賢い知恵」を見直そう

僕が、日ごろから使っている
わが身の“元気力”を高めるための
「健康格言」活用法の話の続きです。

前回、富山の置き薬屋さんが置いていった
「長寿格言」について書きました。
さすが、全国を行脚する
「越中・富山の売薬商の知恵だ」と感心しますが、
こうした先人が残した、賢い処世訓を総集した
貴重な本が出版されていることに気づきました。
「心がシャキッとする『言葉』の置きぐすり」
(寺田スガキ・著 東邦出版)という本です。

数百年にわたって培われてきた
「健康格言」ばかりではありません。
「ウン、納得!」と、うなずきたくなるような、
「人生」「人間」「対人関係」「仕事」「金銭」についての
日本人らしい「生活の知恵」=
「言葉の置き薬」が集められたものです。
機会があればぜひ手に入れて読んでみてください。
ともすれば、現代人が忘れがちな、
人生全般への警句がぎっしり詰まっています。

この本の圧巻は「人間について」の章に収録された
「日常の戒め」10訓でしょう。

高いつもりで低いのが教養
低いつもりで高いのが気位
深いつもりで浅いのが知識
浅いつもりで深いのが欲の皮
厚いつもりで薄いのが人情
薄いつもりで厚いのが面の皮
強いようで弱いのが根性
弱いようで強いのが意地
多いようで少ないのが分別
少ないようで多いのが無駄

どうでしょうか?
physiological psychology、
mind-body problemなどといった、
小難しい横文字の医療用語の解説より、
よほど日本人には
ストレートに理解できる思えませんか?

いや、こと医療だけでなく、
この100年、150年、
グローバリズムの旗の下の
「欧米借り物の発想法」にかぶれすぎて、
むしろ、日本人はコンプレックスや、
ストレスにさいなまれてきたのではないでしょうか?
そのための心の重圧で、
体まで半病人になっている人が
増えてきたと思いませんか?
ガンは蔓延し、心筋梗塞、糖尿病の患者が
ウロウロしているといって
言い過ぎではないと思います。

さて、この連載「気がつけばあなたもガン」も
主宰者の邱永漢先生とHiQのスタッフ、
そして、みなさんのご支援のおかげをもちまして
「1000回」を迎えることが出来ました。
心より感謝を申し上げます。

僕の好きな格言に「身土不二」という格言があります。
「人間の身体は住んでいる風土と切り離せない」
という意味ですが、
これからも日本人らしい
「等身大の発想」を大切にしつつ、
悔いのない治療、納得いく人生を掴むための、
『スローヘルス健康学』の提案を
みなさんと一緒に考えていきたいと思っています。

今回、多くのファンのみなさんから、
連載1000回、おめでとうというメールをいただきました。
この「言葉の置き薬」こそ、
僕にとっての勇気の源です。
この場を借りてお礼を申し上げます。


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2005年5月23日(月)

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