第954回
なぜ玉川温泉に人気があるのか?
このゴールデンウイークには、
ガン患者に評判の秋田の玉川温泉に参ります。
さて、この玉川温泉で産出する
「北投石」が、
人体の自然治癒力に影響を及ぼすらしいので、
その検証の話の続きをしましょう。
前回、書きましたように、
北投石が出す「ラジウム」に
その効用ひとつがあるようです。
ラジウム温泉といえば、
秋田県の玉川温泉だけでなく、
いまや鳥取県の三朝温泉、
山梨県の増富温泉なども有名ですが、
そのラジウム温泉水の中には「ラドン」が含まれており、
このラドンがその秘密の一つといわれています。
では、ラドンとはなにか?
ラドンは、弱い自然放射線を出すガスの元素です。
その量は微量で人体に悪影響が及ぶ量ではない・・・
ここがミソなんですね。
玉川温泉に行くと、
温泉のほかに「岩盤浴」といって、
ラドンを発する温かい北投石の岩盤の上で
ゴザを敷いて寝ているお客さんがたくさんいます。
ラドンガスの吸引、地熱がもたらす温熱が
相乗効果となって心身に影響を与えるため、
ガンやリュマチなどの患者にも
効果をもたらすと言われています。
微量な自然放射線が
人体にどのような影響を与えるか?
微量な自然放射線は、
その刺激によって、
毛細血管が拡張して新陳代謝が向上。
その結果、免疫力や
自然治癒力(ホメオスタシス=homeostasis)が
向上されるという考え方です。
このような刺激効果は、
『ホルミシス(hormesis)効果』と呼ばれています。
ちなみに、
ホルミシスとは『ホルモン』と同一語源のギリシャ語
hormo≠ナ、
刺激 or 促進= to exciteという意味です。
ホルミシス効果が見られるのは、
微量の放射線つまり、
10〜200ミリグレイ(10〜200ミリシーベルト)
で現れるといわれています。
これは人間が1年間に受ける
自然放射線の10倍から200倍の線量に相当しますが、
薬でも微量であればよいが、
多ければ毒になるという考え方と同じでしょう。
というわけで、
北投石が発する微量の放射線による、
刺激効果=ホルミシス(hormesis)効果が
評判になったわけでしょう。
こうした自然治癒効果は
ホメオスタシスと呼ばれますが、
こうした現象をただ「奇跡だ」「神業だ」と、
短絡的に大騒ぎするのではなく、
この長寿難病時代だからこそ、
もっともっと科学的に解明されるべき時代に入った――、
もちろん、患者が納得しながら、
いろいろな自然治癒療法を活用できるとしたら、
それは、よりいっそうの回復効果を高めるに違いない――、
僕はそう思って
スローヘルスな統合療法を楽しんでいるわけです。
また、5月のゴールデンウイークに
玉川温泉に行くのが楽しみです。
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