元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第927回
気楽に読めるガン養生本

前に、ガンの統合医療=
ホリスティック医療の草分けの
帯津良一医師から送られてきた新著
「ホリスティック・カウンセリング―心を癒して体を治す」
(春秋社)の話を紹介しましたが
もう一つ、新しい著作が届きました。
「帯津流 がんと向き合う養生法」(NHK出版)
というものです。

前作の
「ホリスティック・カウンセリング―心を癒して体を治す」は
統合医療の科学的な証明といった、
ちょっと難しい内容もありましたが、
こんどの本は、帯津医師が提唱する
「いのち(霊性)、からだ(身体性)、こころ(精神性)」の
人間丸ごとを治療する――
ホリスティック医療について、
診察や講話で、いつも話をしているような調子で、
やさしい文章で書き下ろしたものです。

ずばり、ガンなどの難病と向き合う、
これからの時代の「養生法」について、
新しい患者の知恵を、
楽しいエピソードをふんだんに取り入れながら
公開していますから、
帯津ファンならずとも、
ガンの治療法に迷っている方、
大学病院のあらっぽい治療法に疑問を持っている方、
また、患者の看護に不安を抱いている方は、
こちらの本もぜひ読んでみることをお奨めします。

まず、各章ごとに掲げられた
「帯津流の養生訓」を読むだけでも
心が癒されます。勇気と希望が湧いてきます。
たとえば、
第一章、「心」の章には、いかのような
養生格言があげられています。

●笑うということ――
  悲しみを理解し、それでも
  自然に笑うことができる人は強いのです。

●信じるということ――
  患者が信じ、医師が信じる。
  それがベストの治療です。

●愛するということ――
  冷静にサポートできるのは身近な人です。
  まず、患者さんの言葉に耳を傾けてください。

●趣味を楽しむこと――
  マージャンでも競馬でもいいのです。
  好きなことをどんどんやってください。

どうでしょうか?
これまでのガン治療本とは、
まったく違う「ガンと向き合う知恵」が
詰まった本だと思いませんか?

たとえば「趣味を楽しむこと」の章では、
若き日の帯津医師自身の競馬、マージャン歴から、
「病院から馬券」を注文する
入院患者さんの「養生」のケーススタディも、
紹介されていますから、
まさに気楽に読みながら、
知恵のつくガン養生本なのです。


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2005年3月11日(金)

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