元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第926回
治療師や業者の「賢い見抜き方」

ガンなどの患者に
盛んに健康食品や代替療法を売り込みに来る
治療師や業者の見分け方、
騙されない方法の話の続きです

昨年暮れに僕のかかった
椎間板ヘルニアの場合は?といいますと、
3週間の入院後、
2ヶ月の筋肉トレーニングで治ったのですが、
もしそれでもだめなら、
前回書いた、新井薬師のM治療師の
“外気功”を受けようと思っていたのですが、
爾来、Mさんから伝授された
まずは「心身をほぐす」
「ゆったりとした安静の時間を持つ」
という助言を思い出して、
あわてず、あせあらず、
毎朝毎朝、しこしこと筋肉増強にも励みましたので、
Mさんの“外気功”のお世話にもならず、
なんとかうまくいったようです。

代替療法や健康食品を売り込んでくる業者で、
患者の病気の症状もろくに聞かず、
「この療法でみんな治りました」
「この食品が絶対に効きます」などと、
にこやかに迫ってくる人は、まず要注意です。
あえて、商売熱心をとがめだてはしませんが、
心の底は「自己陶酔」というか――。
患者の苦しみなど、
少しも理解していない人は困りものです。

また、大学病院の治療法と違って、
立証性や検証性が乏しいものが多いわけですが、
こと、いのちに関しては、
「奇跡」や「カルト」の臭いだけがプンプン漂うような
代替療法だけは避けましょう。
この長寿難病時代だからこそ大切なことは、
「短絡」「単純」に決めつけない考え方です。
患者自身が納得して悔いのない人生が歩めるかどうか?
ここがいのちを掴むコツなのです。

代替療法や健康食品を奨められた場合は、
開発者や推奨医師の著書や講演も
じっくり検証しておきましょう。
より科学的に説得の出来るデータや、
社会的に信頼性の高い医師の臨床データによる、
情報公開がなされているか、どうか?
まず、このツボをひとつ押さえておきましょう。

西洋医学の治療法でさえ、
症状差や個人差があるわけで
薬にもプラシーボ作用(偽薬作用)があることすら
認められています。
患者の「精神的作用が薬効」を倍増するという
研究すらなされているわけですから、
少しでも納得のいく立証性や信頼性が、
患者に見えていることが、
ますます大切になってきたのです。

また、僕たちの患者会の周りにも、
これで「絶対治ります」と
必死に売り込みに来る業者、
患者会の名簿リストを目当てに来る人、
他の療法で亡くなった患者さんのことを
言いふらして得意顔をする業者・・・
患者のことなど二の次に考えている、
いろいろな人が、ときどき、顔を見せます。
もちろん、商売熱心を咎めはいたしませんが、
ことはいのちにかかわる仕事ですから、
情けない話です。

医療情報が公開され、
医療選択が広がる時代だからこそ、
これからは患者も家族も、
より賢く立ち回りましょう。
「ガンとは、医療にとどまらず、
 まさに己の人生を決める哲学なのだ」と理解して、
悔いのない日々を過ごしてほしい、
納得のいく治療選択をしてほしいと、
僕は、最近、つくづく思っています。


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2005年3月10日(木)

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