元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第905回
「失敗は成功の母」「ピンチはチャンス」

「どうすれば、
 売れ行き不振の総合週刊誌を回復させることが出来るか?」
週刊誌の一大異変について
「編集会議」という月刊誌にしゃべった、
僕の昔話と
「週刊誌=ベンチャービジネス論」抜粋の続きです

          *

(略)
あのスクープ(八百長追求!プロ野球黒い霧事件)のお陰で
20万部程度の部数を低迷していた
「週刊ポスト」が
一気に40万部にまで
売り上げを急伸させるきっかけとなったのです。
また創刊間際の「週刊ポスト」が
政治からプロ野球、芸能に至るまで、
社会全体のあるべき姿を追求していく
“告発週刊誌”というポジションを確立して、
読者からの信頼性を勝ち取ったことになります。

さて、昔もいまも変わらないことですが、
スクープとは編集長の性癖、姿勢に
かかわってくることはいうまでもありません。
“失敗は成功の母“という言葉がありますが、
僕はこれこそが、スクープを生み出す
原点であると思っています。

いまは、ある意味で「手馴れた」編集者が
編集長にならざるを得ない時代でしょうが、(略)
あちこち手垢のついた編集長はどうしても
失敗を恐れるが故に、
突っ込んだ取材が出来なくなる。
週刊誌ベンチャー論から言わせて貰えば、
出版社の上層部が後ろ盾になって
異才の若手を起用する覚悟が問われているわけです。
先ほど申し上げたように、
プロ野球八百長事件のスクープは、
僕がデスクのころに担当したものですが、
関連する告訴事件を、
ひっくり返さなければ
編集長の首も飛びかねないという
切羽詰った状況の中で生み出されたものでした。
まさに「ピンチはチャンス」
「失敗は成功の母」という、
“逆転スクープ“だったのです。

いま現在、100万部、200万部と
売れているときならともかく、
週刊誌が30万部、40万部、50万部を
うろついている現状なら、
考えようによっては「ピンチはチャンス」だと思います。

          *

ま、週刊誌といっても、
毎週毎週、赤字が数千万円単位で累積、
年間数億円、いや十数億円の赤字ともなれば、
そうそう経営も、やせ我慢もできないわけで、
「そのうち廃刊する雑誌もでるのではないか?」
と心配する業界通もいますから、
不況の波、業界再編の波とは、
こうした一見華やかに見える世界にも
ヒタヒタと押し寄せているわけです。
さて、総合週刊誌の凋落に歯止めを打つ、
「ピンチはチャンス」の起死回生策はあるのか?


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2005年2月17日(木)

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