元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第851回
これからのガン医療とは

これからの「ガン医療はどうあるべきか」
ということについて、
すでに全国発売中の
新刊「帯津良一のがんに打ち克つ〈いのちの手帖〉」
(帯津良一・監修 関根進・著 二見書房)の
「はじめに」で
帯津医師が大切ことを書いておられますから、
紹介しましょう。

          *

はじめに――  

アメリカのニクソン大統領が、
がん撲滅宣言を高らかに謳いあげたのは、
たしか1971年12月のことでした。
この宣言にニクソン大統領を駆り立てたのは
1969年の月面着陸だといわれています。
月面に人を立たせた科学の力を持ってすれば
がんなどは一捻りだ、
という気持ちになったとしても
不思議ではありません。

もちろんアメリカの人々は、
この宣言を拍手喝采をもって迎えました。
しばらくは、
ニクソンのクリスマスプレゼントとして
語り草になったほどです。

しかし、それから30年余、
いまだに、がんは撲滅されてはいません。
当時は、ニクソンならずとも、
来年こそは、
という夢の特効薬への期待が
次から次へと頭をもたげていたような気がします。
しかし、いまでは、
それはまったく影をひそめてしまった感があります。
特効薬への関心はすっかり薄れてしまったようです。

その代わりに起こったのが代替療法の台頭です。
ご承知とは思いますが、
代替療法とは英語の
オルタナティブ・メディスン(Alternative Medicine)の訳語で、
西洋医学以外の治療法は
すべてここに含まれます。
アーユル・ヴェーダ医学、中国医学、
ホメオパシーのような大所から、
小はサプリメントに至るまで、
実に多士済々です。

多士済々にはちがいないのですが、
そこには自ら共通項というものがあります。
それは、西洋医学が人間のもつ
身体性(からだ)に注目するのに対して、
代替療法は精神性(こころ)と霊性(いのち)に
注目するという共通項です。


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2004年12月25日(土)

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