元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第814回
東洋の感性や論理を見直そう

「東洋の感性や論理を見直そう」といっても、
僕のような爺さんが「冬ソナ」や
「十二楽坊」に夢中になるわけはありませんが、
東洋、いや東アジアというと、
中国医学や中国五術といった、
西洋とはまったく逆発想の学問に
とても興味がわいておりまして、
そうした理由から、
中国の霊峰・黄山と、
その山ろくに宋元明清時代の町並みを、
そのままにとどめる
古民居村を訪ねてみたわけです。

黄山といえば、
聳える奇松、怪岩、雲海、温泉という
「四つの絶景」が有名で世界遺産でもあります。
ま、たいていの観光客が、
幽玄の山水画の題材を思い起こしながら出かける
中国の代表的な景勝地であります。
しかし、僕たち夫婦の狙いは別のところにありました。
この黄山とその山ろくにこそ、
中国独特の伝統風土思想ともいうべき、
「江南風水」の源流が流れていると知っていたからです。

僕が、最近、このコラムで、
「中国風水学」の見直しについて、ときどき書くのは、
東洋独自の養生法がいかに
ガン克服に役立ったかを実体験してきた影響だと思います。

漢方療法、食事療法や呼吸法などで、
体内の気力エネルギーを高めることが、
いかに免疫力や自然治癒力を高めるかを知っただけでなく、
さらに、まわりの環境の気場エネルギーを高めれば、
患者は希望に満ちた人生を掴み取ることができると
わかったからです。
「からだ、こころ、そして周辺環境」――
この3つがそろって初めて、
気力場のエネルギーというか、
「いのちの活力源」が湧き出てくると思ったからです。

いくら丹田呼吸法や食事療法が心身によいといっても、
排気ガスと電磁波の喧騒の中で気功を行い、
農薬と化学添加物まみれの食環境にいたのでは、
「いのちのエネルギー」が高まるわけもありません。
わが身の心身のエネルギーを高めるだけでなく、
身の回りの環境を整えること、
それも家族と友人知人と一緒になって、
「いのちの場」「生活のフィールド」を作ることが
ますます大切になってきたからです。

風水学というと、カラー運勢占いや、
インテリア方位占いと思われていますが、
中国4000年の伝統では、
この「生命環境場」をいかに高めるか?
その方策を探った、いわば「地勢環境学」でもあるわけです。

風水では、欧米の学問のように
「人類を救う地球環境学」などと大仰ないいまわしはしません。
「蔵風聚水」(風を蓄えて水を集める)の場所に、
生気エネルギーが集まり、
そうした場所に町を作り、家を建て、
吉兆方位に部屋を設ければ、商売や人間関係ばかりか、
いのちそのものが元気に満ちてくると説いたわけです。

というわけで、
「からだ、こころ、そして周辺環境」を整えよう、
昔のよき伝統を残している東洋独特の風土を体感しておこう――
そう思って、黄山とその山ろくに出かけことになります。


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2004年11月18日(木)

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