第788回
血の通った「介護」とは?
お年寄りが自分らしく当たり前に暮らすための
「生きる」居場所とは?
宅老所「和笑庵」のケアの実際を中心に
痴呆介護のあり方を問うた本、
「グループホーム・ケア」(講談社)の話の続きです。
この本で扱われている
「宅老所」とは、
大規模なデイサービスの利用が
そぐわない高齢者や
閉じこもりがちな高齢者が利用する施設で、
民家等を改修し、
血の通った生活の場として、
家事等をスタッフと共にして過ごす民間の施設施設です。
個別ケアに近い、6〜7人の少人数対象の
デイサービス(通所介護)を、民間で行う事から、
民間デイサービスと呼ばれるようです。
公認された少人数の施設といえば、
「グループホーム」が上げられますが、
こうした『グループホーム』や「宅老所」は、
特別養護老人ホームなどの大規模施設では、
痴呆の進行を止めることがむずかしい――といった反省から
生まれた少人数ケア施設。
まさに「痴呆は死への階段である」といった
後ろ向きの発想を否定して、
まえむきに「痴呆回復=生きる勇気」を
もたらすところに特色があります。
ちなみに、介護施設の種類には、どんなものがあるのか?
みなさんも「明日はわが身」の大切な問題ですから。
まとめて紹介しておきます。
おおきく分けて、入所介護型、在宅介護型とに分かれます。
●「入所介護型」の施設とサービス
・介護老人福祉施設=特別擁護老人ホーム
(寝たきりなど自宅では介護困難な人対象。
医療行為ほとんどなし
・介護老人保健施設=老人保健施設。
常に介護が必要な人で医学的な管理の下で
介護、看護、リハビリを行う。
・介護療養型医療施設=長期間にわたり
療養が必要な人が対象の病院
●「在宅介護型」の施設とサービス
在宅サービスとしては、以下のようなものがあります。
・訪問介護(ホームヘルプ)/訪問入浴介護
・訪問看護・訪問リハビリテーション
・通所介護(デイサービス)/通所リハビリテーション(デイケア)
・短期入所生活介助(ショートステイ)/
そして、「その他の在宅サービス」として、
グループホーム=痴呆対応型共同生活介護があるわけです。
この本に扱われいる「宅老所」とは、
こうした介護施設としては公認されていませんが、
もっとも「家庭的で、患者に優しい居場所」として、
いま注目されている「介護のスタイル」というわけです。
では、宅老所「和笑庵」では、
どんな「血の通った」「生きる勇気」をもたらす
キュア&ケアがなされているのでしょうか?
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