元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第690回
命はあなたの足元にあります

7月7日の七夕の夜、
東京青山の「クレヨンハウス」で開かれた、
夏のスローヘルス懇親会で行われた、
ホリスティック医療の提唱者・
帯津良一医師の講演の話しの続きです。

          *

私の目指すガン治療の基本に、次の言葉にあります。
「生命在脚下、希望在心中」です。
これは私が考えたのではなく、
北京で郭林新気功の中心的な役割をしている、
于大元(うたいげん)さんからいただいた言葉です。
日本語に訳すと
「命はあなたの足元にあります。
 そして希望はあなたの心の中にあります」
という意味です。

私も于大元さんも多くの人に気功を奨めており、
気功をしている人の方が、
ガンの予後がよくなっている人が多いということがわかりました。
しかし、ガンとの闘いに
希望を持つということはなかなか難しいことですね。
希望の方程式などないわけです。
というわけで、于大元(うたいげん)さんは、
中国全土を行脚しながら、
「自分の心の中をじっくり覗いてください」
そうすれば必ず自分の力で考え出すことが出来るはずですと、
説いているようです。

そして、もう一つ、治療養生に大切なことは、
「命は足元にある」という考え方です。
とても含蓄のある言葉ですね。
脚下照顧(きゃっかしょうこ)という諺もありますが、
これは、あちこちと願望を求めるのではなく、
自分の足元をじっくり見て、
自分で考える力をつけましょうという意味だと思います。
自力更生――このふたつは、
ガンとの付き合い方を象徴している、
とてもすばらしい考え方だと思い、
于大元さんから自筆の揮毫書をいただき、
私の病院のロビーに額つきで飾って、
多くの患者や家族の皆さんにも紹介しているわけです。

ガンと闘うというのではなく、
ガンと上手に付き合って延命していく、
「生命在却下、希望在心中」――
この言葉をみなさんもじっくりかみ締めて
日々、励んでいただきたいと思います。

          *

みなさん、帯津医師のガンに対する、
じつに謙虚な考え方をどう思ったでしょうか?
もちろん、自分を見つめて希望を見出すといっても、
単純には出来ません。
しかし、帯津医師の話はここから核心に迫るのです。


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