元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第610回
「友だちのような医師」はおります

「友だちのような医師」を一人は持とう――
ガン養生の「ケア」の問題について、
まさに僕の“親友”となってくれている、
土屋繁裕医師の活動を紹介しながら
何回か医療コミュニケーションについて書いてきましたが、
ガン治療を、外科医だけが知っている
難しい専門知識だと考えることがいけません。

このコラムでも
こんな治療金言を紹介したことがあります。
「久病良医」(きゅうびょうりょうい)――
つまり、長く病気をした患者は優れた医師である
という意味ですが、
1年、2年、5年、10年とガンと付き合った人なら、
身にしみてこの金言の意味合いが分かると思います。
自分と相性のよい、治療法、養生法を
機敏に見つけた人はうまくガンをなだめすかして、
延命、健存しているからです。

ところで、
ガンは患者の心持ち次第で、
うまくクリアできるものだと、
ガンの仕組みについて
免疫学の立場から、
分かりやすく解説してくれたのは、
まえにもこのコラムでも紹介し、
いまや「免疫革命」といった著書が
ベストセラーとなっている、
新潟大学大学院教授の安保徹さんでしょう。

おさらいとなりますが、
安保理論は、
「自律神経のバランスを上手にはかれば、
 ガンも恐れるに足らず」という、
「発ガンのメカニズム」を
じつに分かりやすく解説してくれたわけで、
とくに不定愁訴に悩みがちな、
世の女性たちにも人気を博したのですから、
この先生も患者のガン不安をひとつ取り除いてくれた、
よいコミュニケートをもたらしてくれた、
まさに「友だちのような医師」ではないですか?

医学部の大学教授や外科医に、
ガンについて質問すれば
「素人は俺のいうことを聞いていればよいのだ」と
高慢に構えている人が多いというのに、
安保理論こそ、
医学界の常識をひっくり返す革命理論ではないか?
いや、患者の側から「ノーベル賞」を
差し上げたいくらいの発明だ、などと僕は思っています。

ことは複雑怪奇なガンですから、
一発で完治できる治療法など、
世界中を駆け巡ってもないわけで、
なんとしても大切なのは、
やはり「友だちのような医師」を持ち、
そして、家族と協力して「命を拾う」ための
あらゆる方策を探しまくる――
これが延命の近道なわけです。


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