元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第570回
「食道ガンは切らない」も有力

地方のがんセンターや大学病院では、
まだまだ、なにがなんでも「ガンは切る」――
これが主流、つまり標準治療ですが、
しかし、こと食道ガンに関して、
東京や千葉の国立がんセンターが
事前に「切らない選択肢」も患者に提供しているのは
正しい姿勢だと思います。

食道ガン手術の体へのダメージを避けるために、
僕も経験した「放射線と抗ガン剤」による
内科的治療については、
すでに厚生労働省の研究班が
長期にわたって調査研究しているようなのです。
昨年、こんな医療記事が毎日新聞に出ておりました。
海外では日本より早く、
抗ガン剤と放射線の併用治療が見直されているとして、
食道ガンが粘膜内に止まっているT期の患者
72人の調査結果が上げられています。

この研究班に所属する、
国立がんセンター中央病院の加藤抱一医師の報告では、
二年後の生存率が93%というものです。
手術との比較はさらに10年程調べる必要があるとしながらも
「予想以上にいい結果で、
 切らない治療が標準となる可能性もある」
とコメントしていました。

この記事について、
僕のセカンドオピニオンである土屋繁裕医師も
紙上でこう評価していました。
「切らずに越したことはないが、
 多くの患者の本音。
 最後は患者の選択になる。
 どうしても手術がイヤという場合、
 手術以外の治療を主張したらよい」
とアドバイスしています。
とにかく、「食道ガンは切らない」選択肢も有力――
やっと大病院の中でも
こうしたデータがあがってきたのです。


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