元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第549回
チベット医学はホリスティック

セミナーの最後に僕は1つ質問をしました。
「チベット医学では患者を診断するときに、
 その場にいない家族の病状も言い当てる――
 つまり家族診があると聞いたのですが、
 どういうことをするのですか?」

昔、日本の治療師にも
こうした占い師もどきの診断をする人がいると
聞いたことがあったので、
ちょっと聞いてみたわけです。

「昔はそうした超能力を使った僧がいましたが、
 いまは使いません」

チベット医学の目指しているところは、
より合理的に心身丸ごとを
診断することだと言うのですね。

チベットというと、超宗教や
超能力のふるさとのように思う人が多いようですが、
ムスタン国王の侍医・ギャツオさんに
じかにいろいろ聞いてみると、
その医学はたしかに伝統的な療法を厳守していますが、
西洋医学との共存、さらに合理的な発想も
重視していることが分かります。
医学的に言えば、人間丸ごとを診る、
ホリスティック医療に
近い方向に行くように僕は思いました。

また、こんな興味深い話もしてくれました。
「昔からチベットでは、
 自然界にいる神々を傷つけると病気になると考えます。
 つまり自然との共存が第1なのです。
 たとえば、男子の半数近くが出家して僧になるのは、
 人口増加を抑制して
 自然を無闇に傷つけないためなんですよ。
 ムスタン王国でも男子が3人いれば、
 2番目の子が出家する決まりになっています」

なるほど、一見、神話的、超然的にみえる
チベットの世界は、
科学的というか合理的な発想を秘めているわけです。
詳しく話を聞いていくと
チベット医学ってじつに面白いと思いませんか?


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