第536回
イザという時は「お金を借りる」
ガンで入院すると病院への治療費の支払は
1ヶ月ごとに請求書がきます。
そのつど、X線やCT、内視鏡生検などの検査費、診察料、
ベッド代、抗ガン剤投与などの薬代を、
50万円、100万円の単位で払うことになります。
入院が長引けば、さらに毎月支払う現金が必要です。
まあ、イザと言うときにそなえて、
すぐ降ろせる預貯金があればよいわけですが、
すぐに現金に都合が付かない場合、どうするか?
病院にツケをためておくことは
難しいですから、
そうしたときは、
「高額療養費貸付制度」を利用しましょう。
前回、健康保険適用の範囲で、
数十万円という高額医療費には還付制度があるという
治療費軽減のノウハウを書きました。
これをつかえばよいじゃないか?
と考えがちですが、
掛かったお金が払い戻されるとはいえ、
「高額療養費」の還付は
病院のレセプト(請求書)の内容審査が必要ですから、
支払は数ヶ月後となります。
というわけで、当座の支払に困る人のために、
大抵の健康保険では
一定割合の融資を無利子で受けられる
「高額療養費貸付制度」が設けられているわけです。
これを利用しましょう。
●大抵は高額療養費支給見込額の
8割相当額の融資が受けられます。
* 貸付額の計算例――
70歳未満の方で所得区分が
一般(月収56万円未満)の被保険者が入院して、
総医療費が1,000,000円かかり、
自己負担額300,000円(3割分)を支払った場合。
高額療養費支給見込額は
300,000円−【72,300円+(1,000,000円−241,000円)×1%】
=220,110円
貸付け額は8割で、
220,110円×0.8=176,000円(100円未満切捨て)
――となります。
詳しくは以下のサイトなどを見て、
ガンの経済学に強くなっておきましょう。
参考サイト・全国社会保険協会連合会
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