第526回
再発ガンの治療について
寒さが厳しいためでしょうか、
冬になると、ガンの再発や転移を心配する
患者や家族からのメールが増えています。
というわけで、スローヘルス研究会の
常連である土屋繁裕医師に、
心身にダメージを少なくしながら
再発の危機を乗りきる治療法、
闘病法について聞いてみました。
とくに、ガンが再発した場合は、
治療の選択が難しくなります。
局所だけの再発症例は少なく、
ほとんどの場合、遠隔転移を起こしているからです。
再発が出やすい臓器は肝臓と肺です。
理由は、血管がたくさん集まっていて
転移しやすいからだというのですね。
「再発には二通り、
『遠隔転移』と『局所転移』があります。
遠隔転移した再発ガンは、
普通、手術をやらないのが基本と考えましょう。
見えない場所にも全身転移しているケースが多いですから、
切っても、いわゆる『切られ損』となるからです。
腹膜播腫や胸膜播腫も局所再発といわれますが、
通常、手術はしません。
遠隔転移は局所転移より圧倒的に多く、
積極的縮小手術、乳ガンの温存手術以外では、
大抵の場合、再発すれば、
全身病=遠隔転移と考えられます。
局所転移は稀です。
いずれにしても、再発の場合の手術は、
患者さんの年齢や処世観を考えて、
慎重に選択すべきでしょう」
では、再発したら、
どのような条件ならば、
手術のメリットがあるのか?
「たとえば、肺転移や肝転移で手術となれば、
満たしていなければならない条件が二つあります。
1.原発ガンが完全に取り除かれていること
2.遠隔転移ガンがひとつの臓器に限られていること」
と土屋医師はいうのです。
問答無用で手術を強要したり、
大量の抗ガン剤を投与したがる医師がいたら、
それは要注意というわけです。
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