第446回
続「肺ガン」の治療ポイント
もし、あなたがガンといわれたら?
大学病院の治療はどうなっているか?
4大ガンの筆頭・肺ガンについての続きです。
【肺ガンの主な治療】
● 小細胞ガン――限局期―抗ガン剤か放射線。
――進展期―疼痛治療の放射線照射。
● 非小細胞ガン
0期―部分切除手術か、胸腔鏡手術や放射線治療。
I期―部分切除か肺葉切除もしくは放射線治療。
II期―部分切除か肺葉切除もしくは放射線治療。リンパ節切除。
III期―外科手術か、抗ガン剤と放射線の組み合わせ治療。
浸潤転移の大きいときは放射線と抗ガン剤。
IV期―抗ガン剤治療が主体。
【治療のポイント】
肺ガン治療で難しいのは
リンパ節に転移が認められII期、III期の患者さんです。
実は60%以上が微小転移を発見できない
IV期症状のケースがあるからです。
検査でも分からないものをむやみに切っても
効果が計り知れないわけで、
手術だけでは頭打ちというのが現状です。
手術のできないような非小細胞肺ガンについては、
分子標的抗ガン薬の「イレッサ」が注目されています。
遠隔転移のない、早期の肺ガンであれば、
肺機能を温存する手術や胸腔鏡手術などで
負担の少ない手術の選択肢もあります。
また、肺の末梢にできた肺ガンなら、
重粒子線治療による成績がかなりよいことが分かってきました。
こうした手術は設備と技量がかかわってきますし、
健康保険が利かないため料金が高くなる欠点はあります。
現在、こうした
なるべくダメージを少なく考える治療選択、
さらに放射線治療を第一とし、
ダメなら手術という組み合わせ治療は
日本ではまだ少ないわけですが、
これからは機能温存と
術後のQOL(命の質)を考えた治療が
もっと取り入れられるべきでしょう。
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