第421回
財養生!「果報は寝て待て」
まえにもちょっと書いたことがありますが、
国際分散投資のひとつとして、
成長中国株に投資を始めたのは10年ほど前。
97年の香港返還の直前にはリスクもありましたが
少々リターンもモノにしました。
しかし、株は「一寸は闇」、
中国は「虎も棲む宝の山」とはよくいったものですね。
98年のアジア通貨危機の余波をくらい、中国株も急落…
これでは塩漬け低迷の日本株と同じ運命かと諦めておりました。
おまけに、99年の1月に悪性の食道ガンにやられ、
わが命ともオサラバか?というわけで、
僕は中国株のことなどもすっかり忘れておりました。
ところが、
闘病3年目の2001年2月のこと――
みなさんもご存知のように、
中国政府が中国B株(海外投資家専用)の
本土国内市場開放という活性化政策を断行。
なんと3倍から5倍、
なかには10倍も中国株が突然、急騰したのですね。
中国漢方制ガン剤が効いて命を取り戻したばかりか、
中国に預けたお金までが元気を取り戻して、
僕の心身に生きる勇気が倍増してきたのは不思議なことでした。
「果報は寝て待て」「桃栗3年」という諺がありますが、
運が向いたといいますか、
ツキを戻したといいますか、
これにはまいりました。
これを聞きつけたのは僕の闘病記を出していた、
出版社のS編集長で、
ガン克服も目出度いが、
中国株大儲けの本を書いたらどうだというわけです。
まだまだ、巷には中国崩壊論が跋扈し、
中国株はハイリスク・ハイリターンの
バクチまがいのいかがわしい株だと、
経済専門家もおっかなびっくり。
日本の大証券会社もそっぽを向いていたころでしたから、
ちょっと儲けてはみたものの
本が売れるかどうかは半信半疑でした。
とりあえず、ガンはそっちのけで書き下ろしたのが、
「中国株で大成金になる30の法則」(太陽企画出版)
という本でしたが、
これが「元祖・中国株の大成金本」としてヒットしたわけです。
風の噂ばかりの中国経済情報にイライラしていた、
先取り派の個人投資家が競って購入してくれたのでしょう。
発売は9月下旬でしたが、増刷続きで6刷を重ね
なんと、その年末には
「兜町で話題の本の年間ベスト10」に入ってしまったのです。
同じ頃には「中金持ち父さんの財産学」(日経BP社)といった、
50歳からの財養生の本も書きましたが、
以後、たちまち中国株本はブームを呼び、
いまでは20冊も30冊も中国株指南書が
書店の棚を占拠している時代です。
ガンから生還したという大養生のお蔭で、
こんどは国際分散投資の財養生の草分け達人?
となってしまったことになります。
人生をこじつけるわけではありませんが、
まさに「好奇心は年齢に関係なし」「果報は寝て待て」
身をもってこの格言を体感した60歳でした。
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