元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第384回
「命とはなにか?」を読書しよう

死とは何か? 生とは? 
わが身のガンを思い、家族の死を想い、
爾来、闘病記や医学書も200冊ほど読みましたが、
哲学書や宗教書も、さらに科学書も150冊ほど読みました。
50代を前後して垣間見た死の際の体験をもとに、
なんとしても己の命とは? 人生とは? 死とは? 
こうした不安と疑問について
考え方をまとめておきたかったからです。

子供の頃の家庭環境からキリスト教の世界については
両親から教わっていましたので、
宗教的な考え方については慣れておりましたが、
どうも一足飛びに天国だの地獄だの極楽だの、
はたまた最後の審判だの復活だの…
そうした説教臭い話だけでは納得出来ないところがありました。

ですから、幸運にも“ガン生還の奇蹟”を得たあとは、
命のしくみを研究する、
医学はもちろん、物理学や生命科学、農学の本も読み漁りました。
拙著「ガン患者よ、ドクハラと闘おう!」にも書きましたが、
「老子と現代物理学の対話」(長谷川晃・著/PHP研究所)
「人生の暗号」(村上和雄・著/サンマーク出版)
「不老のサイエンス」(Rコチュラク Pゴーナー・著/第三書館)
といった本は、
素人でも読みやすいものでした。

さらに最近では、宗教が得意とする「死とはなにか?」――
こうしたテーマを医学のみならず、
物理学や農学、さらに生物学の分野から
説き起す海外書が増えてきました。
「がん長寿学」(廣済堂出版)など、
医学書の翻訳で有名な藤野邦夫さんという先輩がいるのですが、
ある日、
「死と老化の生物学」
(A・クラルスフェルド F・ルヴァ著/藤野邦夫・訳 新思索社)
という本を読みなさいと翻訳書を送ってくれたことがあります。
この本はフランスの気鋭の生物学者の手になるもので、
ちょっと素人には難解なところがあります。

しかし、定価3000円で、
最先端の生物学の講義を「かぶりつき」で聞ける…
40億年の生物の歴史から人間の生死や長寿の謎を知る…
つまり、なんとも魅力的な大学講義だと思って読めば、
実に面白いことがわかります。


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2003年9月15日(月)

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