元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第229回
「牛乳入り味噌汁」を笑えません

半世紀前から始まった
米食低脳論といった極端な風潮がエスカレートして、
欧米食礼賛、やがて高蛋白高脂質の肉や揚げ物、
ポテトチップスやコーラの過食という
「食の堕落」を肥大化させたわけです。
この半世紀で、日本人の動物性脂質と動物性タンパク質の摂取量は、
なんと4倍から5倍に増えたという国民栄養調査が
発表されています。
それに正比例して、ガンで死亡した患者も毎年30万人と、
うなぎ上り、3倍から4倍に増えているのです。
なんとも恐ろしい「長寿難病時代」の襲来です。

さらに、その傾向に拍車をかけたのが、
1970年代から始まった、
食料輸入政策と農業の工業化でした。
農薬まみれ、化学添加物まみれの食品を
蔓延させる「食卓汚染」です。
この食の危機、命の危機については
拙著「しなやかな玄米菜食」に詳しく図表入りで
解説してありますが、
いまや日本の食料自給率は40%となり、
穀物自給率にいたっては27%と年々下がっています。
農薬まみれの中国野菜や
防腐剤、着色剤まみれのアメリカの果物に汚染され、
ガン、アトピー、糖尿病といった生活習慣難病に
蝕まれているわけです。

半世紀にわたる「食の堕落」「食卓汚染」の風潮が、
「長寿難病社会」を生み出したといって過言ではありません。
当時の生活改良普及員や栄養士の中には、
「牛乳入り味噌汁」「脱脂粉乳入りキンピラ」
を真面目に推奨したといいますから、
いまの「サーモンとエビのマヨネーズ寿司」
「キムチとチーズのマヨネーズ牛丼」を
笑ってはいられません。
その因果でしょう。
楽しかるべきはずのシルバーライフに、
ガン、アトピーや痴呆という難病社会を
もたらしてしまったわけです。


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2003年4月13日(日)

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